「新NISA、やったほうがいいのは分かってる。でも、うちには毎月そんな余裕はない」——もしあなたが今そう感じているなら、数年前の私とまったく同じです。子供3人の5人家族を、私ひとりの給料(1馬力)で支える50歳の営業職。周りが「月3万積み立てている」と聞くたびに、心のどこかで「うちは無理だ」と蓋をしていました。
📋 この記事でわかること
- 「NISAをやる余裕がない」と感じる人がつまずいている本当のポイント
- 生活費(変動費)の我慢で原資を作ろうとすると、なぜ続かないのか
- 1馬力・子供3人の我が家でも積立を始められた”きっかけ”
- 「今は無理」と「今から始められる」を分ける考え方
📚 このシリーズの記事(固定費でNISA原資を作る)
- 【きっかけ編】「余裕がない」を固定費で解決(今読んでいる記事)
- 【手順編】固定費を削る順番
- 【設定編】浮いた固定費で少額スタート
- 【実録編】固定費を削って全額NISAへ
ボーナスから原資を作る方法は こちらのシリーズで解説しています。
「余裕がない」の正体は、お金の量ではなかった
まず、同じ悩みを抱えている人がどれだけいるか。知恵袋やSNSには、こんな声があふれています。
「生活費を削ってまで積み立てるべきなんでしょうか。毎月がギリギリで、続けられる自信がありません」
「余裕資金がないのにNISAを始めていいのか不安。急な出費で解約したら、結局損する気がします」
「周りは月3万とか積み立ててるけど、うちは月5千円が限界。それって意味あるんですか?」
(※知恵袋・FP相談メディアに繰り返し寄せられる相談を、筆者が要約した代表的な声です。出典:積立NISAはやめたほうがいい?知恵袋の声とFPの答えほか)
3つに共通しているのは、「”今ある生活費の中から”投資に回すお金をひねり出そうとしている」ことです。ここに、余裕がないと感じる人の落とし穴があります。食費を我慢し、お小遣いを削り、なんとか捻出しようとする。でも、それは毎月ずっと歯を食いしばり続けるということ。人間の意志力はそんなに続きません。私も最初は「昼食代を安くしよう」と考えましたが、外回りの多い営業職には想像以上のストレスで、3週間で挫折しました。
💬 実際どうなのか
「余裕がない」の多くは、お金の絶対量が足りないのではなく、”毎月自動的に出ていくお金”を一度も見直していないことが原因でした。ここに気づけるかどうかで、始められるかが決まります。
変動費ではなく「固定費」が盲点だった
転機は、家計の内訳をちゃんと眺めたときでした。食費や日用品といった”変動費”は、我慢しても月に数千円が精一杯。しかも我慢し続けないと元に戻ります。一方で、通信費・保険・サブスクといった”固定費”は、一度見直せば翌月から自動的に浮き続けて、しかも我慢が要りません。食費を毎月5千円削るのは苦痛ですが、通信プランを1回変えれば、以降は何もしなくても毎月安くなる。この違いは決定的でした。
実際、我が家は家族4回線のスマホをワイモバイルから日本通信SIMに乗り換えただけで、通話込みの実質月額が約11,000円から5,560円に。暮らし方は何も変えていないのに、毎月5,000円以上・年間6万円が浮きました。この年6万円は、我慢して作ったお金ではありません。ただ”見直しただけ”のお金です。そして、これがそのまま積立の原資になりました。
✅ 対策
「投資の原資は変動費の我慢で作る」ではなく「固定費の見直しで作る」に発想を変える。通信費・保険・サブスク・教育費——毎月自動で出ていくお金にこそ、我慢のいらない削りしろが眠っています。
ちなみに我が家は、生命保険は掛け捨てすら未加入(自動車保険と火災保険のみ)、子どもの学習は高額な塾ではなくスタディサプリ(高校生2人で年約4万円)、サブスクはYouTube Premiumのファミリープラン1本だけ。どれも「みんなが払っているから」で持っていた固定費を手放しただけです。これらを積み上げると、毎月それなりの原資になりました。
手が震えた、はじめての買付
白状すると、2020年より前の私は貯金残高すらまともに見ていませんでした。転勤3回、いずれも身の丈以下の賃貸で家賃を抑えてきたので、「退職まで惰性で生活できるだろう」という程度の感覚だったのです。変わったきっかけは、緊急事態宣言でできた手持ち無沙汰な時間。それを全部YouTubeでの情報収集に注ぎ込んだら、うちの家計の弱点は「使いすぎ」ではなく「貯金しかしていないこと」だと気づきました。
そして固定費で作った原資を握りしめて、2024年1月に初めての買付ボタンを押しました。そのとき、正直に言うと手が震えました。それくらい、私にとっては大きな一歩でした。あれから2年半、毎月コツコツ続けています。「余裕ができたら」と待っていたら、たぶん今も一歩も動けていなかったと思います。
⚠️ 以下に当てはまる方は慎重に検討してください
- 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)がまだ手元にない
- 数ヶ月以内に使う予定のお金(学費・車検など)しか残っていない
- 値動きで一喜一憂して眠れなくなるタイプ(まずは少額・分散から)
✔️ 以下の方に向いています
- 「NISAはやりたいが余裕資金がない」と感じている
- 家族が多く、通信費など固定費に削りしろがありそう
- 変動費の我慢では続かなかった経験がある
「今は無理」と「今から始められる」を分けるもの
新NISAのつみたて枠は、月100円からでも始められます。だから「月5千円しかできない」は、始めない理由にはなりません。むしろ大事なのは、その5千円を”我慢”ではなく”仕組み”で用意すること。固定費を見直して浮いたお金を、そのまま自動積立に流す。そうすれば、来月も再来月も、歯を食いしばらずに続けられます。
「余裕ができてから」ではなく、「固定費に余裕を作らせる」。この順番の入れ替えができた人から、少しずつ前に進めます。次に読むなら、私が実際に固定費をどう削って、どう積立に回したのかを数字で公開した記事が参考になるはずです。
周りと比べて、焦らなくていい
「NISA 余裕がない」と検索する人の多くが、実はもう一つの不安を抱えています。それは「周りはみんな始めているのに、自分だけ取り残されているのでは」という焦りです。SNSを開けば、月10万円積み立てている人や、含み益がいくらになったという投稿が流れてくる。それを見るたびに、月5千円が精一杯の自分がみじめに思えてくる——この気持ち、痛いほど分かります。
でも、断言します。金額の大小は、ほとんど関係ありません。大事なのは「始めて、続けているかどうか」だけです。月10万円を3ヶ月でやめる人より、月5千円を10年続ける人のほうが、最終的にははるかに大きな資産を作ります。投資は積み立てた期間がものを言う世界だからです。私自身、48歳という決して早くないスタートでしたが、それでも「やらないよりずっとマシだった」と心から思っています。人と比べるのをやめて、自分の家計に合ったペースで淡々と続ける。それが、余裕がないと感じている人にとっての唯一の正解です。
我が家が手放した「みんなが払っている固定費」
参考までに、我が家が「世間の平均」と比べて手放している固定費を並べてみます。特別なことは何もしていません。ただ、”みんなが払っているから”という理由だけで持っていたものを、一つずつ手放しただけです。
- 通信費:大手キャリアではなく日本通信SIM。家族4回線で通話込み月5,560円(一般的な家庭より年6万円以上安い)
- 生命保険:掛け捨てすら未加入。加入は自動車保険と火災保険だけ
- 教育費:高額な塾ではなくスタディサプリ。高校生2人で年約4万円
- サブスク:YouTube Premiumのファミリープラン1本(月2,280円)に集約
一つひとつは小さく見えても、積み上げると毎月それなりの金額になります。そして重要なのは、これらは全部「一度見直しただけ」で、その後は我慢ゼロで浮き続けているということ。この”我慢のいらないお金”こそが、忙しい会社員が投資を続けられる唯一の原資でした。それぞれの見直しの順番とやり方は、別記事で詳しくまとめています。
よくある質問
Q. 生活費を削ってまでNISAをやるべきですか?
A. いいえ。生活費(変動費)を削る我慢は続きません。削るべきは固定費です。固定費なら一度見直せば我慢なしで浮き続け、その分をそのまま積立に回せます。
Q. 月5千円しか出せません。始める意味はありますか?
A. 十分あります。新NISAは少額から始められ、あとで増額も一時停止も自由です。まずは仕組みを作り、固定費を見直しながら原資を育てていくのが現実的な進め方です。
Q. 貯金がほとんどないのですが、先に投資していいですか?
A. いいえ。まず生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)を現金で確保するのが先です。急な出費で投資を取り崩すと、下がったところで売る羽目になりかねません。順番は「防衛資金 → 固定費見直し → 積立」です。
固定費の見直しは、実は”利回り”が高い
もう一つ、知っておくと行動が変わる考え方があります。固定費を見直して年6万円浮かせるのは、投資でいえば「元本ゼロで、確実に年6万円のリターンを得る」のと同じことです。投資は増えるか減るか分かりませんが、固定費の削減は一度やれば確実に、しかもリスクゼロで効果が続きます。これほど”利回り”の高い行動は、そうそうありません。しかも浮いたお金を投資に回せば、その先では複利も乗っていきます。
「投資は怖くて一歩が出ない」という人ほど、まずはこの”確実な利回り”である固定費の見直しから始めるのがおすすめです。ノーリスクで家計に余白ができ、その余白がそのまま、投資を始める勇気と原資になります。私自身、資産形成の最初の一歩は投資ではなく、通信費の見直しでした。順番を守れば、誰でも同じ道をたどれます。
📝 まとめ
- 「余裕がない」の正体は、お金の量ではなく固定費の見直し不足
- 変動費の我慢は続かない。固定費は一度削れば我慢なしで浮き続ける
- 浮いたお金を自動積立に流せば、少額でも無理なく続く
- 「余裕ができたら」ではなく「固定費に余裕を作らせる」
1馬力・子供3人の私でも始められました。まずは、家計の”毎月自動で出ていくお金”を眺めることからです。



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