「レバナスより攻めた投資信託を、しかも4年」。
人に話すと大抵引かれるけど、自分の特定口座には「NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)」という3倍レバレッジの投資信託が、2021年からずっと入ってる。
横浜市在住・50歳営業職・子供3人を1馬力で養う会社員の、たぶん日本でもかなり珍しい実録。
2026年7月時点の損益率は、松井証券分で+118.4%(評価額1,254万円)。
ただ、この数字だけ見て「3倍最強」と思うのは危険。
この記事では、2022年の大暴落でこのファンドに実際に何が起きたか、「マルチアイ」という下落抑制の仕組みは本当に機能したのか、を保有者の実データで書き残しておく。
📋 この記事でわかること
- NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)とはどんな投資信託か
- 「マルチアイ」=下落抑制モデルの仕組みと、2022年暴落での実際の成績
- 4年保有した現在の実損益(複数口座の実数)
- 3倍レバをやめたほうがいい人・検討してもいい人の条件
NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)とは
大和アセットマネジメントが2021年3月に設定した投資信託で、米国株指数の先物を使って、基準価額がNASDAQ100の値動きの約3倍で動くよう設計されてる。
レバナス(2倍)のさらに上、国内投信では最上級の攻め筋。
ただし、ただの3倍じゃない。
名前にある「マルチアイ」は、複数のリスク指標で市場局面を判定して、リスク回避的と判定されると先物の投資比率を自動で落とす、大和独自の下落抑制モデル。
平時は3倍で攻めて、危険と判定したら自動でアクセルを緩める。
「攻めと自動ブレーキのセット」と理解すれば、だいたい合ってる。
💬 実際どうなのか
レバナスに加えてトリプルも買った理由は単純。
「収入が限られた会社員が上振れを狙うならレバレッジしかない。ならば倍率の異なる2本に分けて、テールの取り方も分散しよう」と考えたから。
『ブラックスワン』的な発想。
ただし、借金や信用取引は使わない。
レバレッジは投信の中身だけ、が自分の一線。
2022年の暴落で実際に何が起きたか
設定からわずか1年足らずで、このファンドは最悪の相場を経験する。
2022年の米国株安。
3倍レバなら理論上、下落も3倍。
海外の常時3倍ETF(TQQQ)は、この局面で最大約81%下落した。
100万円が19万円になる下げ。
ではマルチアイ搭載のトリプルはどうだったか。
設定来の最大下落率は、およそ59%。
十分に痛い数字だけど、比較すると景色が変わる。
NASDAQ100そのもの(1倍)が約35%下落、常時2倍のETF(QLD)が約64%、常時3倍(TQQQ)が約81%。
つまりトリプルは3倍を名乗りながら、暴落局面では常時2倍より浅い傷で済んだ。
自動ブレーキは、少なくとも2022年に関しては機能したと言える。
💬 実際どうなのか
保有者としての実感も添えておく。
評価額が半分近くまで沈む恐怖は、レバナスと同じだった。
ただ「TQQQなら8割消えていた下げで、5割台で止まっている」という事実は、握り続ける根拠として確かに効いた。
抑制モデルには弱点もある。
ブレーキが掛かったまま相場が急反発すると、初動の上昇を取り損ねる。
実際、回復局面の立ち上がりは常時3倍より鈍く感じる時期があった。
✅ 対策
「マルチアイを信じて放置する」と、最初に決めてた。
抑制モデルの挙動を素人が予測して売買を重ねると、ほぼ確実に裏目に出る。
仕組みに任せると決めたら、途中で自分の判断を混ぜない。
レバナスのガチホと同じで、意思決定の回数を減らすことが生き残りの条件だった。
4年後の実損益(2026年7月16日時点)
複数の証券会社に分けて持ってるので、全部並べる。
松井証券:評価額1,254万円・+118.4%。
三菱UFJ eスマート証券:342万円・+179.3%。
SBI証券:238万円・+112.8%。
マネックス証券には旧一般NISA枠で買った分もあって、こちらは+198.5%(この話は別記事で詳しく書く)。
合算すると、トリプルだけで評価額約2,571万円・含み益約1,511万円。
同じファンドでも証券会社によって損益率が違うのは、単に買った時期がずれてるから。
ただ、手数料やポイント還元は明確に差がつく。
その差は証券会社ごとの違いを実際に使って比べた記事で、実額で出してる。
断っておくと、この数字は2023年以降のAI相場の追い風あってのもの。
損益率は買った時期でまるで違う(同じファンドで+112%から+198%まで開きがある)。
それが何よりの証拠。
再現性があるのは「暴落で売らない設計」だけで、リターンそのものじゃない。
⚠️ こんな人は慎重に
- 投資経験が浅く、大きな下落をまだ経験したことがない
- 「マルチアイがあるから安全」と思ってる(最大59%は落ちてる)
- 5年以内に使う予定のお金を入れようとしてる
- NISA枠で買いたいと思ってる(レバレッジ型は新NISA対象外)
- このファンドに償還日(2031年3月)があることを知らなかった
✔️ こんな人に向いてる
- レバナス等で大きな値動きを実際に経験し、耐えられた実績がある
- 15年以上使わない攻め専用の余裕資金がある
- 「常時3倍」と「抑制付き3倍」の違いを理解して選べる
- 償還日までの出口を自分で設計できる
これから検討する人へ:順番と注意点
4年持った身として、検討の順番だけ提案させてほしい。
①まず生活防衛資金と非課税枠(NISA)の使い道を固める
②次に等倍かレバナス(2倍)で値動きの経験を積む
③それでも上を狙いたい余裕資金があって初めて3倍を考える
トリプルは「最初の1本」には絶対に向かない。
自分自身、レバナスで2022年の6割下落を通過した経験がなければ、トリプルを握り続けられたとは思えない。
もうひとつ、意外に知られてない重要事項がある。
このファンドには償還日(2031年3月25日)があって、無期限には持てない。
つまり「ガチホで放置」が、いつか強制終了する。
ここを知らずに買うと、出口で慌てることになる。
償還問題は別記事で詳しく整理してる。
その別記事が償還日から逆算して今から決めている出口戦略。
償還日はすでに一度延長されてるので、延長される場合とされない場合の両方で考えてる。
レバナスと併用して見えた、トリプルだけの個性
特定口座でレバナス(2倍)とトリプルを、約5:5で併走させてる。
同じNASDAQ100系でも、日々の動きを4年並べて見ると、個性の差がはっきり出る。
素直に指数の2倍で動くレバナスに対して、トリプルはマルチアイの判定次第で「思ったより下がらない日」と「思ったより伸びない日」が混ざる。
この読みにくさをストレスと感じるか、保険料と感じるか。
それが、この商品との相性を決めると思う。
もうひとつの個性は、月次で見たときの回復パターン。
2022年の底から2023年にかけて、レバナスは反発の初動から素直に戻していった。
トリプルはブレーキが解除されるまで一拍遅れて、その後に追い上げる形。
結果として自分の口座では、下落局面の浅さで稼いだ分と回復初動の遅れで失った分が、ある程度相殺されてる。
「3倍だから2倍の1.5倍儲かる」という単純計算は、この商品には当てはまらない。
分配金コースの違いにも触れておく。
松井証券のトリプルは受取型で持ってて、レバナス(再投資型)とは扱いを変えてる。
攻め全開の資産の中に、一部だけでも現金化の流れがあると、家計との接点が生まれて精神的に持ちやすい。
これは理屈より感覚の話だけど、4年続いた理由のひとつ。
なお、トリプルもレバナスもレバレッジ型なので、新NISAでは買えない。
NISA枠をどうするかは、別の記事に書いてる。
よくある質問
Q. マルチアイのブレーキはいつ発動しているか確認できる?
A. 大和アセットマネジメントの公式サイトで月次レポートが公開されてて、先物比率の推移を確認できる。
自分も月に一度だけ見てる。
毎日見る必要はないけど、「今どのくらいアクセルを踏んでいる状態か」を月1回把握しておくと、値動きに納得感が持てる。
Q. トリプルとTQQQ(海外ETF)ならどっち?
A. 常時3倍の爆発力を最優先するならTQQQ。
ただ、2022年型の暴落で-81%を受け止める覚悟が要る。
円建て投信として積立設定できる手軽さと、下落抑制を取るならトリプル。
自分は「積立を自動化して判断を減らす」方針なので、投信であるトリプルを選んだ。
Q. 今の高値圏から買い始めるのは危険?
A. 高値かどうかは事後にしかわからない(自分には予測できない)。
言えるのは、この商品は買値から半分になる可能性を常に織り込むべき、ということだけ。
一括じゃなく積立で入って、金額は「半分になっても平気な額」に抑える。
入り方で、リスクはかなり調整できる。
最後にひとつ。
トリプルの話をすると「そんな危険なものを」という反応と、「もっと増える方法があるのに」という反応の両方をもらう。
両極から違うことを言われるポジションは、案外悪くない場所だと思ってる。
自分の家計と耐性に合わせて設計した攻め方なら、他人の物差しに合わせて動く必要はないってこと。
📝 まとめ
- NASDAQ100トリプルは「3倍レバ+自動ブレーキ(マルチアイ)」の国内投信
- 2022年暴落の最大下落は約59%。常時3倍(-81%)どころか常時2倍(-64%)より浅かった
- 4年保有の実績は口座により+112〜+198%、合算で評価額約2,571万円(2026年7月時点)
- 最初の1本には不向き。値動き経験→余裕資金→償還日の理解、の順で検討を
3倍という数字は派手だけど、自分にとってのトリプルは「派手さ」じゃなく「ブレーキ付きだから握り続けられる」ための選択だった。
攻めるほど、続けられる仕組みが要る。
※本記事は筆者個人の体験記録であり、特定の金融商品の推奨ではありません。レバレッジ型投資信託は極めて大きな元本割れリスクがあります。下落率等の数値は公開情報および筆者の記録に基づく概算です。投資判断はご自身の責任で行ってください。


