2021年、資産をレバレッジ型に寄せた50歳の5年後|NASDAQは2.6倍、ヘッジのつもりの中国株3倍は−83%だった

2021年に資産をレバレッジ型に寄せた結果、5年後にNASDAQは約2.6倍、中国株3倍は−83%と明暗が分かれたことを示すアイキャッチ 資産運用・投資の実録

📋 この記事でわかること

  • 2021年に、持っていた資産をレバレッジ型に寄せた理由と、その中身
  • 2022年の暴落で、口座の資産が1,872万円から1,001万円になっても売らずにいられた理由
  • 5年後の答え合わせ:当たったもの(NASDAQ・半導体)と外れたもの(中国株)
  • レバレッジで勝負する前に、私が自分に聞くようになった3つの質問

私は横浜市在住・50歳の営業職で、子供3人を1馬力で養う会社員です。コロナ禍で家にこもっていた2021年、SNSで投資や働き方、人生観を見直しました。そのとき、ある投資家の考え方に背中を押されて、ひとつ決めたことがあります。

「コツコツ積み上げるのも大事。でも人生のどこかでレバレッジをかけて勝負しないと、大きくは変われない」。事業でも不動産でも同じだと思いました。それで私は、持っている資産をレバレッジ型に寄せました。

あれから5年。2026年の秋に、そのとき買ったものを並べて答え合わせをしました。当たったものも、はっきり外れたものもあります。この記事は、その記録です。

2021年、私は持っているものをレバレッジ型に寄せました

当時の証券口座の記録を見返すと、半年ほどのあいだに、2つの口座でほぼ同時に入れ替えをしていました。

時期米国株の口座投資信託の口座
2021年6月NASDAQ100のETF(QQQ・27株、約99万円)を全部売却昔から持っていた国内株と海外株のファンド(合計約218万円)を売却
2021年7月中国株3倍のETF(YINN)を買い始めるiFreeレバレッジNASDAQ100(レバナス)を300万円購入(9〜10月に200万円を追加)
2021年9月〜2022年1月半導体3倍のETF(SOXL)を買うNASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)を300万円購入(2021年10〜11月)
2022年・2023年−旧NISAの一般枠120万円を、2年ともトリプルに充てる

米国株の口座では、レバレッジ型のほかに高配当のETFも持っていました。役割で分けると、本命がNASDAQ、ヘッジのつもりが中国株、宝くじ枠が半導体、配当狙いが高配当ETFです。

💬 実際どうなのか

SOXLもYINNも、最初から何回かに分けて買う予定でした。ところが結果の形はまったく違いました。SOXLは前回より高い値段で買う形になり、YINNは下がるたびに買い増すナンピンの形になりました。同じ「分けて買う」というルールでも、相場の動き方しだいで中身が変わる。これは買ったあとで気づいたことです。

2022年、口座の資産は1,872万円から1,001万円になりました

買い終えた直後に、相場は下がり始めました。当時メインで使っていた証券口座の資産は、2021年末の1,872万円から、2022年末には1,001万円まで減りました。1年で約47%の減少です。レバナスだけで見れば、資産は約6割溶けていました(そのときの気持ちはレバナスで資産が6割溶けた2022年の記事に書いています)。

それでも私は売りませんでした。理由はシンプルで、売らなければ終わらない商品を選んでいたからです。

✅ 対策

レバレッジと聞くと、FXやCFD、先物を思い浮かべる人が多いと思います。あれらには追加の保証金や強制決済(ロスカット)、取引の期限があり、相場が逆に動くとポジションそのものを失います。一方、私が選んだレバレッジ型の投資信託には、追証もロスカットもありません。相場が逆に動いても、自分で売らない限り持ち続けられます。だから「ポジションさえ維持できれば、いずれ上がる」という信念で持ちこたえることができました。ただし投資信託にも、純資産が減ったときなどに運用を終える「繰上償還」の条項はあります。強制的に終わる可能性がゼロではないことは、知っておいたほうがいいと思います。トリプルには、もともと2031年3月の償還日も決まっています。

マルチアイの下落を抑える仕組みが、2022年の暴落でちゃんと働いたのか。そこはトリプルを4年持った記録でくわしく書いています。

5年後の答え合わせ

2026年9月末の数字で、2021年に買ったものを並べます。

役割銘柄投じた額2026年9月の評価額
本命レバナスとトリプル(4社の合計)約2,205万円約5,848万円
宝くじ枠SOXL(半導体3倍)約181万円約900万円
配当狙い高配当ETFなど6本約153万円約221万円(5年間の配当は手取りで約22万円)
ヘッジのつもりYINN(中国株3倍)約215万円約36万円(−83%)

レバナスとトリプルの「投じた額」は、2021年以降の積立や買い増しも含めた、各社の画面の取得額の合計です。

当たったもの:NASDAQ

本命のNASDAQは、2022年の暴落を挟んでも、投じた額の約2.6倍になりました。いちばん苦しい時期を売らずに通過したことが、そのまま数字に出ています。

中でもいちばん伸びたのは、2022年と2023年に旧NISAの一般枠でトリプルを買った分です。2年で投じた240万円が、約731万円(+205%)になりました。暴落のど真ん中で非課税枠を使い切ったことが、結果的にいちばん効いています(旧NISAの枠をトリプルに全振りした記録)。

当たったけれど、持て余したもの:半導体

宝くじ枠のSOXLは約5倍になりました。ただ、その途中がすごかった。2026年6月末には約1,625万円まであったのに、7月の1か月で約955万円減りました。爆発力は本物でしたが、値動きが急すぎて、利益を確定するタイミングを計るのは自分には無理だと分かりました。

外れたもの:中国株

いちばんの失敗は、ヘッジのつもりで買った中国株3倍のYINNです。たしか「米中の覇権争いで中国が勝ったときの備え」のつもりでした。しかも下がるたびに買い増したので、5回に分けて買い、最終的には2021年に買った米国株の中でいちばん大きな持ち高になっていました。5年持ち続けても、約215万円が約36万円です。

💬 実際どうなのか

YINNも5年間、一度も売らずに持ち続けました。それでも戻りませんでした。つまり「ポジションを維持すること」は勝つための条件ではあっても、それだけでは足りなかった。もう1つの条件は、持っているものの中身そのものが長い目で見て成長していくことでした。NASDAQは戻り、中国株は戻らなかった。差はそこだけです。

✅ 対策

私は、中国株と半導体の3倍はガチホに向かないと判断しました。どちらもNASDAQのような右肩上がりではなく、上下の波が大きいからです。短期の売買なら使い道があるのかもしれませんが、短期売買は私にとって博打なので、やりません。2026年9月末に、YINNと高配当ETFをすべて売り、SOXLも一部だけ売って、損と益を相殺しました(そのときの手順と税金の計算)。売ったお金は、為替ヘッジありのレバナスとトリプルへ190万円ずつ移しています。

今日できること:レバレッジで勝負する前に、私が自分に聞く3つの質問

5年やってみて、レバレッジ型の商品を買う前に、次の3つを自分に聞くようになりました。紙とペンがあれば、5分で終わります。

  1. その商品に、相場しだいで強制的に終わる仕組みはあるか。追証やロスカットがあるものは、どれだけ信念があっても、下がったところで持ち続けられなくなることがあります。償還日のような期限がある場合は、それまでに出口を決めておけるかも確認します
  2. 中身は、長い目で見て右肩上がりだと思えるか。波が大きいだけのものは、持ち続けても戻るとは限りません
  3. その金額が半分になっても、売らずにいられるか。半分になったときの金額を、実際に書き出してみてください。私はこの「半分」を下限と決めていて、トリプルをブレーキ付き(マルチアイ)で持っているのも、下落を半分くらいで止めておきたいからです

3つとも「はい」と言えたものだけを、私はガチホの対象にしています。

ただ、いまになって、買う前に決めておけばよかったと思うことがもうひとつあります。出口です。9月に米国株を整理したとき、損と益をほぼゼロに相殺できるという分かりやすい理由があったのに、売るまでにかなり躊躇しました。いつ、何を、どの順番で売るか。口で言うのは簡単でも、実際に売り注文のボタンを押すのはとても難しい。出口まで決めてから買うことも、レバレッジで勝負する前の準備に入れておきたいと思っています。

⚠️ 以下に当てはまる方は慎重に検討してください

  • 数年以内に使う予定のお金で始めようとしている
  • 評価額が半分になったら、眠れなくなりそうだと感じる
  • 値動きを見て、こまめに売り買いしたい
  • 買おうとしている商品の中身が、長い目で見て右肩上がりだと思えない

✔️ 以下の方に向いています

  • 10年以上は触らないと決められるお金がある
  • 生活防衛資金を、投資とは別に確保している
  • 下がっている間も、積立を止めずにいられそうだと思える

後悔しない選び方:レバレッジは「何に」「どの形で」かけるか

振り返ると、2021年の決断そのものは間違っていなかったと思っています。結果を分けたのは、レバレッジをかけた先と、その形でした。

どの形で:私の場合、強制決済のない投資信託を選んだことが、2022年を乗り切れた最大の理由でした。信用取引の口座は、そもそも開いていません。使える状態にしてしまうと、自分の意思だけで手を出さずにいられる自信がないからです。もうひとつは、同じ3倍でもブレーキ付きのトリプルを選んでいたことです。2022年の最大下落は約59%で、ブレーキのない3倍の約82%より浅く済みました。上だけを見て倍率を選んでいたら、私はどこかで降りていたと思います。

振り返ると、私の投資信託には3段のブレーキが付いていました。1つ目は、トリプルのマルチアイ。相場が危ないと判定されると、私が何もしなくてもファンドの中で比率が下がります。2つ目は、投資信託という仕組みそのもの。約定は1日1回で、現金になるまで数日かかるので、怖くなってもその場では逃げられません。3つ目は、自分で決めたルール。積立を自動にし、「暴落でも売らない」と決め、信用取引の口座も開いていません。一方、SOXLやYINNのような米国のETFには、そのどれもありませんでした。ブレーキはなく、夜中にいつでも売り買いでき、持つ理由も「宝くじ枠」「ヘッジのつもり」とあいまいなままでした。同じレバレッジでも明暗が分かれたのは、中身の違いだけでなく、ブレーキの有無の違いでもあったと思っています。

何に:同じ3倍でも、NASDAQと中国株では5年後がまったく違いました。レバレッジは、上がるものをより大きく上げ、戻らないものをより深く沈めます。かける先を選ぶことのほうが、倍率を選ぶことより大事だと思います。

まとめ

📝 まとめ

  1. 2021年、私はQQQや昔からの投資信託を売って、レバナスとNASDAQ100トリプルに寄せた
  2. 2022年に口座の資産は1,872万円から1,001万円まで減ったが、ロスカットのない投資信託だったので持ち続けられた
  3. 5年後、レバナスとトリプルは取得額約2,205万円に対して約5,848万円になった
  4. 同じ3倍でも、中国株は5年持っても−83%。ガチホが報われるのは、中身が右肩上がりのものだけだった

結局はメンタルの勝負でした。ただ、メンタルで持ちこたえる前に、何を持つかで勝負の大半は決まっていたのだと思います。

最後に、ひとつだけ試してみてください。今持っている銘柄を紙に書き出して、それぞれの横に「買ったときの役割」を1語ずつ書きます。本命、ヘッジ、宝くじ、配当。5分あれば終わります。私はこれをやって、ヘッジも宝くじも高配当も、買ったときはどれも「こうなったときのための選択肢」だったと気づきました。

免責

本記事は筆者個人の運用記録にもとづく体験談で、特定の金融商品の購入をすすめるものではありません。レバレッジ型の商品は値動きが大きく、元本を大きく割り込むことがあります。金額は2026年9月末時点の各社の画面の数字です。最終的な判断は、ご自身でお願いします。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

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