特定口座の損出しは何株売ればいい?含み損の米国ETFを売って利益と相殺し、売却益の税金を0円にした手順【2026年の実例】

含み損196万円を確定させて含み益194万円と相殺し、特定口座の年間損益を−22,211円にして売却益の税金を0円にした実例を示すアイキャッチ 資産運用・投資の実録

📋 この記事でわかること

  • 損出しと益出しを組み合わせて、売却益の税金を0円にする4つの手順
  • 益出しで「何株売ればいいか」を逆算する1行の計算式
  • 9銘柄を実際に売って、年間の損益を−22,211円に着地させた実例
  • 「円で受け取る」を選んだときに、受渡前の金額が仮の数字になる注意点

年内に含み損を確定させて、含み益とぶつけると決めた。残っているのは「どの順番で、何株売るか」だけ——この記事は、そこまで決めた人のための手順書です。

私も2026年9月末に、マネックス証券の特定口座(源泉徴収あり)で同じことをしました。2021年に買った米国ETF9銘柄のうち8本を全部売り、半導体3倍のSOXLだけは株数を逆算して一部を売りました。結果、その年の譲渡損益は−22,211円、売却益にかかる税金は0円です。実際の約定データを使って、計算と手順をそのまま書きます。

結論:手順は4つ、計算は1行です

手順やること所要時間
1その年の譲渡損益(年初来)を確認する5分
2含み損の銘柄を売って、損を確定させる10分
3益出しの株数を逆算して売る5分
4受渡日のあとに、確定した金額を確認する5分

計算式はこれだけです。売る株数 = 確定している損失額 ÷(1株あたりの円建ての手取り − 1株あたりの取得単価)。端数は切り捨てます。理由は手順3で書きます。

私の実例:9銘柄を売って、−22,211円で着地させました

まず結果からお見せします。金額はマネックス証券の取引履歴にある「税計算用受渡金額」から取得額を引いたもので、手数料を差し引いたあとの数字です。

銘柄売った数量実現損益
YINN(中国株3倍)90株−1,788,777円
TLT(米国債20年超)50株−168,181円
TQQQ(NASDAQ100の3倍)38株+399,384円
XLE(エネルギー)40株+264,739円
VYM(米国高配当)20株+260,673円
XLF(金融)30株+130,608円
VEA(先進国)20株+105,974円
XLRE(不動産)30株+43,307円
SOXL(半導体3倍)40株(9/29に10株、9/30に30株)+730,853円
その年にすでに確定していた分(投資信託の解約)−−791円
合計−22,211円

最初に計算したときは、SOXLは37株の見込みでした。実際に売るまでの数日で株価と為替が動いたので、最終的には40株になっています。株数は、売る直前に計算し直すのが前提だと考えてください。

💡 ポイント

特定口座の税金は、売った瞬間ではなく「受渡日ごとの、その年の累計」で計算されます。損を先に確定させておけば、あとから益を出しても累計がマイナスのうちは一度も源泉徴収されません。同じ夜にまとめて売った場合も、受渡日が同じなら損と益はまとめて計算されます。

そもそも、なぜ損と益をぶつけたのか

理由は2つあります。1つは、5年前に買った米国ETFのうち、持ち続ける理由がなくなったものを整理したかったことです。もう1つは、配当にかかる税金です。米国ETFの配当は、米国で10%引かれたうえで、残りから日本でも20.315%引かれます。合わせると約28%です。売却益なら日本の20.315%だけで済みます。配当を受け取り続けるより、売って分配金を出さない投資信託に移したほうが、税金の面でも有利だと分かりました。

ただ、含み益の銘柄をそのまま売ると、その益に20.315%の税金がかかります。そこで、評価額が取得額の2割以下まで下がっていたYINNを同じ年に売り、益と損をぶつけることにしました。含み損は持っているだけでは何も生みませんが、確定させれば売却益の税金を消す材料になります。

どの銘柄を特定口座に置き、どれをNISAに置くかの考え方はNISAと特定口座どっちで持つ?レバナスは特定口座、NISAは別枠にした税金の実額に書いています。

手順1:その年の譲渡損益を確認する(5分)

最初に、その年にすでに確定している損益を見ます。マネックス証券なら、特定口座の譲渡損益の明細で年初来の合計が確認できます。私の場合は、毎月少しずつ解約していた投資信託の分が−791円ありました。金額は小さくても、ここを入れ忘れると逆算がずれます。

注意したいのは、特定口座の相殺は口座ごとだということです。同じ年に別の証券会社の特定口座で益が出ていても、自動では相殺されません。複数の証券会社の損益をまとめたい場合は、確定申告が必要になります。

ちなみに、確定申告をするとその年のふるさと納税はワンストップ特例が無効になります。地味に見落としやすいところなので、私が医療費控除で申告したときの話もワンストップが無効になった話に置いておきますね。

手順2:含み損の銘柄を売る(10分)

次に、損を確定させます。私は損失側のYINNとTLTだけでなく、整理したかった高配当の銘柄もこの日にまとめて売りました。米国株の取引時間は日本時間の22:30から翌朝5:00(夏時間)です。始まった直後は値段が飛びやすいので、少し時間をおいてから成行で注文しました。

売る前に確認したのが、配当の権利落ち日です。9月分の権利落ち日はすでに過ぎていたので、売ったあとでも9月28日と30日に配当(手取りで合計16,169円)が入ってきました。

取引量が少ない銘柄(私の場合はYINNやXLRE)は、売値と買値の差が開きやすいことがあります。値段が気になるなら、成行ではなく指値で出す方法もあります。

手順3:益出しの株数を逆算する(5分)

損の合計が分かったら、含み益のある銘柄を何株売れば相殺できるかを計算します。9月29日の取引が確定した時点で、損益の合計は−579,428円でした(SOXL10株の益を含みます)。

9月30日のSOXLは1株約150ドル、為替は1ドル約156円です。1株売ると約23,400円が入り、取得単価は4,826円なので、手数料を引いて1株あたり約18,600円の益になります。579,428円 ÷ 約18,600円 ≒ 31.2株。端数を切り捨てて30株にしました。

✅ おすすめの理由:少しだけマイナスで止める

プラスで終わると、そのプラス分に20.315%の税金がかかります。少しマイナスで終われば、その年に受け取った配当と相殺されて、配当から引かれていた税金の一部が翌年の初めに戻ってきます。私の場合は約4,500円が戻る見込みです。だから端数は切り捨てて、ゼロの少し手前で止めるほうが損がありません。

手順4:受渡日のあとに、確定した金額を確認する(5分)

米国株は、約定の翌営業日(現地)が受渡日です。私の場合、9月29日の取引は10月1日、9月30日の取引は10月2日に受け渡されました。

ここで1つ戸惑ったのが、売却代金を「円で受け取る」を選んだときの表示です。注文した直後にダウンロードした取引履歴では、9銘柄すべての円の金額が、参考レートのちょうど95%で表示されていました。受渡前は仮の金額で、為替が確定すると数字が置き換わります。仮の数字のまま株数を計算すると損失を大きく見積もってしまうので、ドル建ての受渡金額 × その日の為替レートで計算し直すのが安全です。

最終的な確認には、取引履歴の「税計算用受渡金額」の列を使います。上の実例の表も、この列で計算しています。

⚠️ 注意点・デメリット

  • その年の損益になるのは、年内に受渡が終わった取引だけです。年末は、証券会社が毎年案内する「年内受渡の最終約定日」を確認してください
  • NISA口座で出た損は、特定口座の益と相殺できません
  • 別の証券会社の特定口座どうしは、自動では相殺されません(まとめるには確定申告が必要です)
  • 売買手数料(マネックス証券の米国株は約定代金の0.495%、上限22ドル)と、円に換える為替手数料(1ドルあたり25銭)がかかります。私の場合は10回の売却で合計約2.6万円でした
  • 損を確定させたあと、同じ銘柄を買い戻すこと自体はできますが、取得単価は買い直した値段に変わります

✔️ こんな人におすすめ

  • 特定口座(源泉徴収あり)に、含み損と含み益の両方を持っている人
  • 年内に一度、持ち株を整理したいと考えている人
  • 確定申告をせずに、売却益の税金を最小限に抑えたい会社員

よくある質問

Q. 米国株の売却益にも、米国で10%の税金がかかりますか?

A. かかりません。米国で10%源泉徴収されるのは配当だけです。日本に住んでいる人が米国株を売って得た利益にかかるのは、日本の20.315%だけです。

Q. 確定申告は必要ですか?

A. 源泉徴収ありの特定口座なら、申告しなくても納税は完了します。申告しても税率は同じなので税額は変わりませんが、売却益が合計所得金額に含まれ、国民健康保険料や所得で判定される制度に影響することがあります。

Q. 売ったお金は、いつから使えますか?

A. 出金できるのは受渡日のあとです。私は10月1日と2日に合わせて約393万円を受け取り、そのあと松井証券でレバナスとNASDAQ100トリプルを190万円ずつ買い付けました。

Q. 「円で受け取る」と「米ドルで受け取る」は、どちらが得ですか?

A. 為替手数料はどちらも1ドルあたり25銭で同じです。円で受け取れば、あとで円に換える操作が1回減るだけです。

まとめ

📝 まとめ

  1. 最初に、その年にすでに確定している譲渡損益を確認する
  2. 含み損の銘柄を先に売って、損を確定させる
  3. 益出しの株数は売る直前に逆算し、端数は切り捨てる
  4. 受渡日のあとに「税計算用受渡金額」で着地を確認する

損益をゼロの少し手前に合わせるだけで、売却益の税金を払わずに保有を入れ替えられます。私の場合は9銘柄を売って、税金0円・手数料と為替コスト約2.6万円でした。

その年の損益に入るのは、年内に受渡が終わった取引だけです。年末が近づくと同じことを考える人の注文が集中するので、私は余裕のある9月末に済ませました。

免責

本記事は、2026年10月時点の筆者の取引記録にもとづく体験談です。税制や各社のサービス内容は変わることがあります。最終的な判断は、証券会社や税務署の案内をご確認ください。私は税理士ではありません。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

takaをフォローする
資産運用・投資の実録
takaをフォローする
タイトルとURLをコピーしました