暴落した株を放置したらどうなる?リーマン前に全財産294万を投じた50歳の13年【2020年に452万】

暴落した株を13年放置した記録のアイキャッチ。全財産294万円を投資した口座が13年後に452万円になっていたことを示す画像 資産運用・投資の実録

2007年、当時の全財産だった約294万円を投資に回した。
その少しあとに、世界的な暴落が始まった。

画面を開くたびに、数字が減っていく。
ある時点で見るのが怖くなって、そっとパソコンを閉じた。
それきり13年間、証券口座を開いてない。

次に開いたのは2020年。
コロナ禍の引きこもり期間だった。

4,519,098円になってた。

この記事は、その13年の記録。
ただ、最初に言っておくと、これは根性で握り続けた話じゃない。
怖くて見られなかっただけ。

📋 この記事でわかること

  • 暴落で放置した口座が、年ごとにいくらだったか(2010〜2020年の実額)
  • いちばん低かったのは2011年末の1,348,559円。投じた294万円に対して−54%
  • 元本294万円を回復したのは2014年。7年かかってる
  • 13年後に何が勝って、何が紙くずになったか(種類別の実データ)
  • 正直な話:この記事の数字は、以前ここに書いてたものと違う。訂正から始める
  • 画面より効いたのは郵便だった。配当金の連絡が、いつのまにか上場廃止の通知に変わっていった話
  • いま「見るのが怖い」人に、言えること(たぶん2つだけ)

最初に、この記事の数字を訂正する

この記事は、もともと「2008年に全財産500万円を投資して、12年放置した」と書いてた。
自分の記憶で書いたから。

その後、証券会社から2007年から今日までの全取引履歴(2,273行)をダウンロードして、1行ずつ数え直した。

結果、記憶違いが3つ見つかった。

項目私が書いていたこと履歴に残っていた事実
投資した年2008年2007年4月〜7月
投じた金額500万円約294万円
放置した期間12年13年
証券口座の取引履歴(2007年4月25日〜2026年8月18日)より集計。

「約294万円」の内訳はこう。
2007年に入金したのが合計4,186,683円。
そのうち生活費として引き出したのが1,247,798円。
差し引き2,938,885円が、実際に投資へ回った額だった。

💬 なぜ「500万」だと思い込んでいたのか

証券会社の画面には「評価損益 +1,026,017円」と出る。
ここから逆算した取得原価は約349万円。
だから画面上は「350万が452万になった」ように見える。

ただ、この349万円には、分配金を再投資して積み上がった分が含まれてる。
財布から出したお金は、あくまで294万円。

「全財産を突っ込んだ」という感触だけが残ってて、金額のほうは13年で勝手に大きくなってたらしい。
体感で覚えてる金額は、あてにならない。

数字が変わっても、この記事で書きたかったことは変わらない。
むしろ元本が思ってたより少なかったぶん、「怖さ」のほうが誇張されてなかったことがわかった。

以下、全部やり直した数字で書いていく。

なぜ全財産を投資に回したのか

もともと自分は、貯金一辺倒の人間だった。
営業職・子供3人・1馬力で、家計は守り一辺倒。
保険にもほとんど入らず、そのぶんが口座に積み上がってた。

転機は、結婚した頃に読んだ資産設計の本。
「貯金だけで置いておくのはもったいない」という趣旨の内容で、それまで投資を考えたこともなかった自分には新鮮だった。

そこで、当時の全財産だった約294万円を投資に回した。
履歴を見ると、2007年4月25日に300万円を入金して、その翌日から買い始めてる。
本を読んで、たぶん1週間も経ってない。

本に書いてあったのは、「個別株・インデックスETF・投資信託・REITを、国内と海外で均等に分散させる」という趣旨のこと。
いま読み返せば、教科書的な配分の話。
自分はそれを、そのまま実行しようとしてる。

ただ、均等にはならなかった。
個別株に回すお金が足りなかったから。

1銘柄あたり数万円で買える株となると、当時は低位株しか選択肢がなかった。
表の下のほうが妙に細かいのは、そういう事情。

何を買ったかというと、いま見ると恥ずかしくなる並び。

買ったもの買付額
TOPIX連動型ETF(400株)689,450円
海外株式のインデックス投信500,000円
REIT(不動産投資信託)1銘柄403,050円
店頭・小型株ファンド(2回)400,000円
毎月分配型のグローバルREIT投信100,000円
中国株ファンド2本200,000円
日本小型株・バリュー株・欧州新興国・店頭株グロース(各10万円)400,000円
グローバル債券系の投信100,000円
低位株7銘柄163,500円
2007年4月26日〜7月12日の買付。金額は取引履歴の受渡金額。

本のとおりに分散したつもりだった。
実際にやったのは、読んだ言葉をそのまま並べることだけ。

毎月分配型、新興国、小型株、中国、そして数万円ずつの低位株。
今の自分なら1つも選ばない。

買った直後に、下げが始まった

タイミングとしては最悪だった。
買い終わってから4か月後の2007年8月に、いわゆるパリバショックが起きる。
そこから1年かけてじりじり下げ続けて、2008年9月にリーマンショックが来た。

最初のうちは、毎日ログインして確認してた。
減っていく数字を見ながら、自分に言い聞かせてた記憶がある。

「そのうち戻るはずだ」

そしてこの時期、郵便受けのほうにも変化があった。

暴落の前、証券会社や会社から届くはがきといえば配当金の連絡だった。
金額は数百円のこともあったけど、それでも郵便受けを開けるのが少し楽しみだった記憶がある。

下げが始まってから、同じ形のはがきの中身が、真逆になった。

届くようになったのは、臨時株主総会の招集通知と、議決権行使書。

中身は、その会社が生き残りをかけて打とうとしてる方針について、株主として承認するかしないか、総会に出席するかしないかを答えてほしい、というものだった。

しかもこれが、返事をするまで何度も届く。
そして最後に来るのが、上場廃止のお知らせ。

数万円ずつ買った低位株が、そうやって順番に消えていった。

同じ郵便受け、同じ大きさのはがき、中身だけが正反対。
差出人を見た時点で「また来たか」とわかるようになって、開けるのが憂鬱だった。

口座の数字は、自分でログインしなければ見ずに済む。
でも郵便は、こっちの都合と関係なく家に届く。

あの時期にいちばん効いたのは、正直なところ画面よりもあのはがきのほうだった。

自分が「見るのをやめた」のは、画面のこと。
郵便のほうは、最後までやめられなかった。

でもある日、見るのをやめた。
戻る気配がまったくなかったから。

パソコンを閉じたときの感覚は、いまでも覚えてる。
決意じゃなく、逃避だった。
全財産がなくなったと思ってて、それを直視する勇気がなかった。

そこから13年、一度も口座を開かなかった。

13年間、本当に何もしてない

これは記憶じゃなく、履歴で確認できた。

  • 2008年から2016年まで、売買はゼロ。動きは分配金の自動再投資と、貸株料の入金だけ
  • 2018年から2020年も、売買はゼロ
  • 唯一の例外が2017年2月9日。投資信託を2本、合計6,391円だけ買ってる
  • 2008年以降、2020年まで新しい入金は実質ゼロ(端数の数百円を除く)

この6,391円が何だったのか、自分でもまったく覚えてない。
ログインした記録もない年。

13年で唯一の操作が、6,391円。
それくらい、この口座は意識から消えてた。

その間も、生活は続いてた。
子供が増え、転勤で引っ越しをし、家計は相変わらず1馬力で回してた。
保険料を払ってないぶんの貯金は、変わらず積み上がり続けてた。

見なかった13年間、口座の中では何が起きていたのか

ここが、今回いちばん書きたかったところ。

証券会社の「資産推移」には、2010年からの各年末の評価額が残ってた。
見てなかった年の数字が、全部残ってたわけ。

年末評価額投じた294万円に対してそのころ
2010年1,568,077円−46.6%データはここから
2011年1,348,559円−54.1%記録上の底(震災・欧州危機)
2012年1,628,772円−44.6%
2013年2,554,641円−13.1%相場が急に戻り始めた年
2014年3,059,119円+4.1%ここで元本を回復
2015年3,375,731円+14.9%
2016年3,354,218円+14.1%
2017年4,186,166円+42.4%
2018年3,512,966円+19.5%1年で67万円減っている
2019年4,285,892円+45.8%
2020年4,519,098円+53.8%13年ぶりに開いた年
証券口座の資産推移データより。2010年より前の年次データは口座に残っていないため、リーマン直後にいくらまで下がったかは確認できません。「投じた294万円に対して」は、実際に入金した2,938,885円との比較です。

口座を開かなかった11年間の評価額(万円)

2010157
2011135 ← 底
2012163
2013255
2014306
2015338
2016335
2017419
2018351
2019429
2020452 ← 開けた年

点線を引くとすれば、投じた294万円は上から4本目(2014年)のあたりです。証券口座の資産推移データより作成。

この表を初めて見たとき、いちばん堪えたのは2011年の1,348,559円だった。
294万円が135万円。

見るのをやめた判断は、感覚としては間違ってなかったことになる。
あのころ、本当に半分以下になってた。

そしてもう一つ。
元本を回復したのは2014年。
2007年に買って、戻るまで7年かかってる。

「長期投資は報われる」という言葉に、7年という長さの実感を持ってなかった。

💬 データの限界を先に書いておく

口座に残ってるのは、2010年からの年次データだけ。
つまり、リーマンショックの直後にいくらまで下がったのかは確認できない。

2010年末で−46.6%、2011年末で−54.1%だったので、2008年から2009年の途中はもっと下だった可能性が高い、としか言えない。

ネット上の体験談で「◯%まで下がった」と断言されてるものを見かけるけど、10年以上前の数字を後から証明するのは、思ったより難しい。

2020年、開けてみたら4,519,098円だった

コロナ禍で、急に時間ができた。
YouTubeで投資の動画を見てるうちに、こんな気持ちになった。

「もう一度やってみようか」

そこで初めて、13年ぶりに証券口座にログインした。

評価額4,519,098円
評価損益+1,026,017円(+29.37%)
私が入金した額2,938,885円
入金額に対して+1,580,213円(+53.8%)
2020年末時点。「評価損益 +29.37%」は分配金の再投資を含む取得原価(約349万円)に対する数字、「+53.8%」は実際に入金した額に対する数字です。同じ口座でも、基準の取り方で見え方が変わります。

正直に言うと、拍子抜けした。
あれだけ怖い思いをして、なくなったと思ってたお金が、放置してる間に戻って、さらに上積みされてた。

このとき同時に家計全体を棚卸しして、保険料を払ってこなかったぶんの貯金も、それなりに貯まってることがわかった。
忘れてた資産が、2か所から出てきたような状態だった。

13年放置して、勝ったのは投資信託だけだった

「全体で+29.4%」は、ならして見た数字。
中身を種類別に開くと、話がだいぶ違った。

資産の種類2020年末の評価額評価損益
投資信託(6本)2,864,783円+1,060,233円(+58.75%)
国内ETF(TOPIX連動)1,031,250円+202,400円(+24.42%)
短期金融資産(MRF)384,465円—
REIT(1銘柄)198,900円−217,716円(−52.26%)
国内株(低位株の残り)39,700円−18,900円(−32.25%)
合計4,519,098円+1,026,017円(+29.37%)
2020年末時点の資産推移データより。評価損益率は分配金の再投資を含む取得原価に対する比率。

13年持って、REITは−52%、個別株は−32%。
全体をプラスに引き上げたのは、投資信託とETFだった。

そして、表に出てこないものがある。
2007年に買った低位株7銘柄(合計163,500円)のうち、3銘柄は上場廃止になって無価値になった。

履歴に「抹消・廃棄」という4文字が3回残ってる。
2009年、2012年、2013年。

残った4銘柄も、大半は取得額を大きく割り込んだ。
7銘柄合わせて、163,500円が最終的に42,760円。
−73.8%。

「分散していたから戻った」は、半分しか正しくなかった

この記事で以前、「たまたま分散していて、たまたま市場全体が回復した」と書いた。
データを開いてみると、これは半分しか合ってない。

正確に書くと、こうなる。

  • 市場全体に連動する部分(投信・ETF)は、放置していれば戻った
  • 個別の会社に賭けた部分は、放置しても戻らなかった。3社は消滅した
  • 毎月分配型のREITは、13年持って−52%だった
  • 私が助かったのは、たまたま低位株の比率が、投じた294万円のうち16.4万円(5.6%)しかなかったから

もし2007年の自分が、あの7銘柄に294万円を全部入れてたら、この記事は存在してない。

「放置したら戻った」じゃなく、「戻る種類のものを、たまたま多めに持ってた」が、実際に起きたことだった。

この13年から学んだことは、たぶん1つだけ

結果だけ見れば、「長期保有で報われた」という話。
でも中身は、まったく立派じゃない。

やったことを正確に書くと、こうなる。

  • 暴落のときに売らなかった
  • ただしそれは信念ではなく、見なかったから売れなかっただけ
  • 追加投資もしていないので、下落局面で買い増す機会は全部逃している
  • 2011年に294万円が135万円になっていたことすら、知らなかった

つまり、「売らなかった」という一点だけが効いたってこと。
それ以外は何もしてないし、やるべきだったことの多くをやり損ねてる。

もし当時、毎月少額でも積立を続けてたら、結果はもっと良かったはず。
2011年から2013年は、あとから見れば全部「安いところ」だった。

自分は恐怖で固まってただけで、最善手からはほど遠い。

ただし、これは生き残った側の記録

ここは強調しておきたい。

同じように暴落で塩漬けにして、戻らなかった人もいる。
個別株に集中してたり、その会社自体がなくなったりすれば、放置しても戻らない。

自分の口座の中でも、実際に3銘柄がそうなった。
割合が小さかったから、記事にできてるだけ。

「放っておけば戻る」は、法則じゃない。
自分は運が良かった側で、運が悪かった側の記録はネットに出てきにくい。

この非対称性は、投資の体験談を読むときに常に頭に置いておくべきだと思う。
この記事も含めて。

いま同じ立場の人がいたら

もし「暴落して見るのが怖い」という状態の人がいたら、言えることは多くない。
ただ、自分の経験から2つだけ。

1. 見ないことと売らないことは、結果として同じ

毎日確認して耐えるのが、正しいわけじゃない。
見ないことで売らずに済むなら、それも一つの方法。
自分はそれを、意図せずやった。

2. ただし「見ない」は買い増しの機会も捨てている

見ないでいると、下がってる局面で買い増すこともできない。
本当に強いのは、見たうえで買い続けられる仕組み。

いまは、資産の半分を一括、半分を積立という形にしてる。
2022年に大きな下落が来たときに耐えられたのは、積立を続けてる最中だったから。

下がる局面が「買える局面」でもあると思えたのは、13年前にはなかった感覚だった。

もう一つ、正直に書いておく。
2022年に口座が1年で872万円減ったとき、自分でも意外なほど動揺しなかった。
13年前に、同じ景色を一度見てるから。

半分になって、そのあと戻るところまで、知らないうちに通過してしまってた。

「半分になっても、売らなければ戻ることがある」を、知識じゃなく自分の口座で知ってる。

これは、思ってたより強い支えになった。
この13年は、自分にとっては予防接種のようなものだったと思ってる。

ただ、それは13年という代償を払って手に入れたもの。
おすすめできる取り方じゃない。

同じ「長く持ち続けた」記録として、毎月分配型を14年持ったらいくらになったかも実額で残してる。
評判の悪い商品を実際に持ち続けるとどうなるのか、という別角度の記録。

✍️ 5分でできる、たった一つの準備

口座もアプリも開かなくていいので、いま投資に回してる金額の「半分の数字」を、紙かスマホのメモに書いてみてほしい。
100万円なら50万円、300万円なら150万円。

自分の2011年は、まさにその数字だった。
294万円 → 135万円。
先に書いておくと、この数字を見た瞬間の感じ方が、暴落が来たときに自分が何をするかをほぼ決める。

「これは無理だ」と思ったなら、それは投資額か商品を減らすサイン。
暴落の最中に判断するより、いま静かなうちに決めておくほうが、はるかに簡単。
自分はこれをやらないまま、13年を無駄にした。

よくある質問

Q. リーマンショックの底では、いくらまで減ってた?

わからない。
口座に残ってる年次データは2010年からで、それ以前の記録がないから。

確実に言えるのは、2011年末で1,348,559円(投じた額の−54.1%)だったことまで。
2008〜2009年はもっと低かった可能性が高いけど、証明できないので書かない。

Q. 13年間、本当に一度もログインしなかった?

ログイン記録までは残ってないので、そこは記憶になる。
ただ、取引履歴の上では、2008年から2020年までの13年間で操作は1回(2017年2月の6,391円)だけ。

少なくとも、「売ろうとして思いとどまった」ような形跡はない。

Q. 同じことをすれば増える?

おすすめしない。
やったのは「怖くて見なかった」だけで、再現する価値のある行動じゃないから。

再現する価値があるのは「売らなかった」の一点だけ。
それは見ないことじゃなく、下がっても続く仕組みを先に作っておくことで達成するほうが確実。

Q. 2020年以降、この294万円はどうした?

2021年に、全部売った。
13年持った投信もETFもREITも低位株も、すべて解約・売却してる。

理由と、それをどこへ移したかは別の記事に書いた。

📝 まとめ

  1. 2007年に約294万円を投資に回し、直後の暴落で怖くなって13年放置した
  2. 記録上の底は2011年末の1,348,559円(−54.1%)。私はそれを知らなかった
  3. 元本を回復したのは2014年。戻るまで7年かかっている
  4. 2020年に開いたら4,519,098円(入金額に対して+53.8%)だった
  5. ただし戻ったのは投信とETFだけ。低位株3銘柄は上場廃止で無価値、REITは−52%
  6. 「放置したら戻る」ではなく「戻る種類のものを多めに持っていた」が正しい
  7. 効いたのは「売らなかった」の一点だけ。それ以外は全部やり損ねている

いま投資してる金額の半分の数字を、先に書いておいてほしい。
自分はそれをやらないまま、13年を過ごした。

※本記事は個人の運用記録であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。記載している金額はすべて証券口座の取引履歴・資産推移データの実数値ですが、同じ期間・同じ商品でも結果は人により異なります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

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