保険は自動車と火災だけ|生命・医療・学資に入らなかった50代の家計

  1. 「所帯持ちで無保険って、馬鹿なのか?」
  2. きっかけは、結婚した頃に読んだ3冊
  3. 入らなかった3つの保険
    1. 生命保険|1馬力・子供3人でも入らなかった
    2. 医療保険|「確率」の話として腑に落ちた
    3. 学資保険|入らなかった。ただし、褒められた話ではありません
    4. では、なぜ自動車保険と火災保険には入っているのか
  4. 子供が数週間入院したとき、いくらかかったか
  5. 年末調整の季節だけは、ちょっと楽しい
    1. 「保険料控除があるから入ったほうが得」は本当か
  6. 前提が変わりつつあります|2026年8月の高額療養費制度改正
  7. 20年以上、ヒヤリとした場面がなかった理由
  8. 1馬力はきつい。それでもトータルでは合っていた
  9. リーマンショックで、全財産500万が凍りついた
  10. 12年後、久しぶりに口座を開いたら増えていた
  11. なぜ、そこからレバナスに向かったのか
    1. 「惰性のままではノーチャンス」という計算
    2. ただし、これは生き残った側の記録です
    3. そして2022年、大きな下落が来た
  12. コロナ禍にFP2級の勉強をして、確信を強めてしまった
    1. ただ、その思考は当たりも外れも生みました
  13. そして来年、長男が大学に進学します
    1. 多子世帯の支援は、我が家の場合「2人目の途中まで」で切れます
    2. 下の2人は、レバナスを取り崩して充てる予定です
  14. この選び方をおすすめしない人
  15. もし私がいま30代なら
  16. よくある質問
    1. Q. 1馬力・子供3人で生命保険なしは無謀では?
    2. Q. 学資保険なしで教育費は足りましたか?
    3. Q. 塾には通わせましたか?
    4. Q. 下のお子さん2人の学費はどうしますか?
    5. Q. 多子世帯の支援制度は使えますか?
    6. Q. 健保組合の付加給付はありましたか?
    7. Q. 貯蓄が少ない人が真似していいですか?
    8. Q. 自動車保険と火災保険に入っているのは矛盾では?
    9. Q. 生命保険料控除があるので、入ったほうが得ではないですか?
    10. Q. レバナスに一括投資したのは真似していいですか?
    11. Q. 出世コースを外れたから勝負できた、ということですか?
  17. まとめ
  18. 免責

「所帯持ちで無保険って、馬鹿なのか?」

職場でそう言われたことがあります。悪意というより、本気で心配された言い方でした。

私は50代の営業職で、子供が3人います。妻は専業主婦なので、家計は1馬力です。一般的には「保険が最も必要」とされる条件がひととおり揃っています。

それでも、契約している保険は自動車保険と火災保険の2つだけです。生命保険も、医療保険も、学資保険も、人生で一度も契約したことがありません。

そのときの上司は「いい保険商品を紹介してやる」とまで言ってくれました。ありがたい話です。

ただ、後日「あの紹介の話、どうなりました?」と聞いたら、「収入にもよるから、自分で調べたほうがいいと思って」と濁されました。

それ以上は追及していません。ただ、「入らないのは馬鹿だ」と言い切れる人でも、いざ具体的に何を勧めるかとなると言葉が濁る。保険というのはそういうものなのかもしれない、と思った出来事でした。

この記事は、私が保険に入らなかった理由と、20年以上経った今どうなっているかの記録です。保険に入るなと言いたいわけではありません。実際、自動車保険と火災保険には入っています。その線引きの理由も含めて書きます。

きっかけは、結婚した頃に読んだ3冊

保険に入らないと決めたのは、結婚した頃です。いろいろ読んだ中で、一番効いたのが次の3冊でした。

  • 『内藤忍の資産設計塾:あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法』内藤忍 著(自由国民社/2005年1月)
  • 『医療保険は入ってはいけない!』内藤眞弓 著(ダイヤモンド社/2006年7月)
  • 『販売員も知らない医療保険の確率』永田宏 著(光文社/2007年2月)

医療保険の2冊で「なぜ割に合わないのか」を知り、資産設計の1冊で「では余ったお金をどうするか」を知った、という組み合わせです。

保険について自分で考えたことがない状態で読んだので、先入観がなかったのが良かったのかもしれません。「保険とはこういうものだ」という思い込みがないまま、確率と期待値の話として受け取れたのだと思います。

なお、3冊とも2005〜2007年の本です。私が判断の土台にしたのはこの時期の情報で、そこから20年近く経っています。制度も商品も変わっているので、いまから同じ判断をするなら数字は最新のものを確認してください。本から受け取るべきは考え方のほうで、金額や確率そのものではありません。

入らなかった3つの保険

生命保険|1馬力・子供3人でも入らなかった

条件だけ見れば、私は生命保険の営業が最も熱心に来るタイプの客です。稼ぎ手が1人で、扶養家族が4人いる。

それでも入らなかったのは、遺族年金の存在を知ったからです。会社員が亡くなった場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金が出ます。ゼロから全部を民間保険で用意する必要はありません。

医療保険|「確率」の話として腑に落ちた

会社員には高額療養費制度があり、医療費の自己負担には月ごとの上限があります。さらに働けなくなった場合には傷病手当金が、標準報酬日額の3分の2で最長1年6か月。

つまり会社員にとっては、入院や病気そのものよりも「働けない期間の生活費」のほうが本当のリスクで、そこには公的な仕組みが既にあります。

読んだ本で印象に残ったのは、入院給付金が実際に支払われる確率と、それまでに払う保険料の総額を並べたとき、割に合わないケースが多いという指摘でした。

ひとつ補足しておくと、私の勤務先の健保組合には付加給付がありません。組合によっては自己負担の上限がさらに下がる仕組みがありますが、我が家はその上乗せなしで、標準の高額療養費制度だけを前提にしています。

逆に言えば、付加給付のある会社にお勤めなら、私よりさらに医療保険の必要性は下がるということでもあります。ご自身の健保組合の規約は、一度確認しておく価値があります。

学資保険|入らなかった。ただし、褒められた話ではありません

子供が生まれるたびに学資保険の話は出てきましたが、3人とも入りませんでした。返戻率が貯金と比べて割に合わないと感じたからです。

ただ、ここは正直に書きます。では代わりに計画的に教育費を積み立てていたかというと、していませんでした。完全にノープランです。

「高校は無償化が進むだろう」「大学は奨学金という手もある」「最悪、大学に行かなくてもいい」——その程度の見通しでした。いま振り返ると、見通しというより強がりに近かったと思います。

教育費として意識的に払ってきたのは、スタディサプリの月額だけです。塾には通わせていません。

この点については、真似をおすすめしません。

  • 奨学金の多くは貸与型、つまり子供本人が背負う借金です。親が備えなかった分を子供に付け替える構造になり得ます
  • 高校無償化の制度は所得制限や対象範囲が変わります。「そうなるだろう」で当てにするものではありません

では、なぜ自動車保険と火災保険には入っているのか

ここが私の線引きです。

生命保険・医療保険・学資保険に入らなかったのは、起きたときの損失が公的制度と貯金で吸収できる範囲だからです。

一方、自動車保険と火災保険は違います。対人事故を起こせば賠償が億単位になることがあり、火災で家を失えば住む場所がなくなります。貯金では絶対に埋まらず、公的制度も助けてくれない。

保険が嫌いなのではなく、「確率は低いが、起きたら貯金では詰む」ものにだけ使う——それが私の基準です。

子供が数週間入院したとき、いくらかかったか

子供が小学1年生のとき、長期入院したことがあります。

きっかけは歯の治療でした。全身麻酔をかけて処置をしたのですが、その後に気管支炎だか肺炎だかを起こしてしまい、数週間の入院になりました。人工呼吸器の影響ではないかと言われましたが、正確な原因は私にはわかりません。

医療保険に入っていないので、当然「これは相当な出費になる」と覚悟しました。

結果として、医療費そのものは小児医療費助成制度でカバーされました。数週間の入院で、です。

ただし、助成の対象にならない実費はかかりました。食事代、パジャマ、タオル類——そうした雑費で、合計すると数万円。それは貯金から払いました。

ここが、この記事で一番言いたい部分かもしれません。保険がなくても払えたのは、現金があったからです。保険料を20年払わずに口座に置いてきたぶんが、まさにこういう場面で効きました。

数万円というのは、家計によっては「痛いが出せる」金額です。逆に言えば、貯金が薄い状態で医療保険にも入っていなかったら、この数週間はもっとしんどかったはずです。「保険に入らない」と「現金を持たない」は、同時に成立させてはいけない——そう実感した出来事でした。

そしてもう一つ。コロナ禍の入院だったため、親の付き添いができませんでした。小学1年生が、数週間ひとりで病院にいる。お金の話とは別に、あのときが一番こたえました。

なお小児医療費助成は自治体ごとに対象年齢も自己負担額も違います。「うちの自治体は何歳まで、いくらまで」を調べておくだけで、子供の医療保険が必要かどうかの判断はかなり変わるはずです。

年末調整の季節だけは、ちょっと楽しい

毎年11月頃になると、職場が少しざわつきます。年末調整の保険料控除の記入です。

みんな控除証明書を何枚も引っ張り出してきて、一般生命保険料と介護医療保険料と個人年金保険料を分けて、旧制度か新制度かを確認して、計算欄を埋めて……とけっこうな手間をかけています。

私はその欄が全部空欄なので、数分で終わります。

「え、もう終わったんですか」「保険なんも入ってないんですか」と言われるのが、正直ちょっと楽しい。20年以上続いている、年に一度の恒例行事みたいなものです。

「保険料控除があるから入ったほうが得」は本当か

ここでよく言われるのが、「生命保険料控除で税金が戻るんだから、入ったほうが得ですよ」という話です。

でも、これは順序が逆だと思っています。控除で戻ってくるのは払った保険料の全額ではありません。控除には上限があり、そこに自分の税率を掛けた分だけが戻る計算です。差し引きでは、払ったほうが多い。

保障が必要なら、控除はおまけとして受け取ればいい。でも控除のために保険に入るのは、割引券のために要らないものを買うのと同じ構造だと思っています。

前提が変わりつつあります|2026年8月の高額療養費制度改正

ここまで「公的制度があるから」と書いてきましたが、その前提がいま動いています。

2026年8月から、高額療養費制度の自己負担上限額が引き上げられました。年収約370〜770万円の層では、月額上限が約8万100円から約8万5,800円へ。2027年8月には所得区分がさらに細分化され、もう一段上がる予定です。

一方で、年間上限が新設されました。年収約370〜770万円の層で年53万円。月ごとの上限には届かないけれど年間を通じて負担が重くなる——抗がん剤治療のようなケースには、有利に働きます。

つまり短期の高額医療では負担増、長期治療では負担減という、両方向の変化です。

私の判断の土台は「公的制度で足りる」でした。その土台の数字が動いている以上、「20年前にこう決めたから」で思考停止するのは、私が一番嫌ってきたやり方です。

いまのところ、この改正で結論を変えるつもりはありません。上限が5,700円上がっても、貯金で吸収できる範囲だからです。ただ、2027年の細分化まで含めて、数字は追い続けるつもりでいます。

保険に入る・入らないの判断は、一度決めたら終わりではありません。制度が変われば、前提も変わります。

※ 金額は2026年8月時点で確認したものです。制度は改定されるため、判断の際は厚生労働省・全国健康保険協会の最新資料をご確認ください。

20年以上、ヒヤリとした場面がなかった理由

正直に書きます。保険に入っていなくて肝を冷やした、という場面はありませんでした。

ただ、これを「だから保険は要らない」の証拠として出す気はありません。単純に運が良かった可能性が高いからです。同じ条件でも、大きな病気をして苦労した人はいくらでもいます。

そのうえで、自分なりに効いたと思っていることを1つだけ書きます。

妻が専業主婦として、家族の食事をずっと管理してきました。総菜や外食に頼らず、家で作ったものを食べてきた20年です。それと家族が大病をしなかったことに因果関係があるかどうかは、証明のしようがありません。病気は生活習慣と関係なく襲ってきますし、気をつけていても避けられないものはあります。

それでも私は、日々の食事の積み重ねが無駄だったとは思っていません。

健康はお金で買えません。買えないけれど、日々の積み重ねは効いてくる。投資の複利と同じで、1日単位では何も変わらないのに、20年経つと差になっている。そういう性質のものだと思っています。

1馬力はきつい。それでもトータルでは合っていた

収入だけを見れば、2馬力の家庭に比べて明確にきついです。それは事実として書いておきます。

ただ、共働きにすれば単純に世帯収入が倍になるかというと、そう単純でもないと思っています。働く時間が増えれば、総菜や外食が増えます。保育費もかかります。増えた収入が支出に食われて、手元に残る額はそれほど変わらない——という家庭も少なくないはずです。

我が家の場合は、収入を増やす方向ではなく、支出を増やさない方向に振れたことで、結果的に貯金が残りました。

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リーマンショックで、全財産500万が凍りついた

保険料を払わなかったぶんは、ただ口座に残り続けました。特別なことは何もしていません。

そうして貯まった全財産500万円を、分散投資に回したことがあります。3冊目に読んだ本の影響でした。

その直後に、リーマンショックが来ました。

画面を開くたびに数字が減っていく。ある時点で見るのが怖くなって、そっとパソコンを閉じました。それきり、証券口座を開くことがなくなりました。

全財産がなくなったと思っていたからです。確認する勇気がありませんでした。

12年後、久しぶりに口座を開いたら増えていた

次にその口座を開いたのは、2020年です。

コロナ禍で急に時間ができて、YouTubeで投資の動画を見るようになりました。もう一度やってみようかと思い、当時使っていたマネックス証券に久しぶりにログインしました。

増えていました。

なくなったと思っていたお金が、放置していた12年のあいだに戻り、さらに増えていた。

これは自慢できる話ではありません。信念を持って握り続けたわけではなく、怖くて見なかっただけです。運が良かったとも言えます。

ただ、結果として学んだことは1つあります。暴落のときに売らなかった、という一点だけが効いた。私の場合はそれが「見なかったから売れなかった」という情けない理由でしたが、やったことの中身は「長期保有」でした。

このとき、ついでに家計全体を棚卸ししました。証券残高が増えていただけでなく、保険料を払ってこなかったぶんの貯金も、それなりに貯まっていたことがわかりました。20年以上の積み重ねです。

なぜ、そこからレバナスに向かったのか

棚卸しした資産をどうするか。私が出した結論は、証券口座の分を利確し、貯金と合わせて、その半分をレバナス(レバレッジ型のNASDAQ連動投信)に一括で入れるというものでした。残り半分は積立に回しました。

参考にしたのは、YouTubeの風丸チャンネルです。

「惰性のままではノーチャンス」という計算

当時考えていたことを、そのまま書きます。

不動産にしても事業にしても、レバレッジを利かせないと大きく跳ねる可能性はない、というのが私の理解でした。そして50代を目前にした自分の状況を冷静に見たとき、このまま惰性で過ごしてもノーチャンスだという判断がありました。

出世コースからは早々に外れていました。それは自覚していました。常識外れの価値観を持った異端児という扱いだったからです。保険に入らない件もそうですし、他にもいろいろありました。

だからこそ、勝負できるチャンスを探し続けられたのだと思っています。会社の中で順当に上がっていく道が最初から見えていなかったぶん、別の場所を探すしかなかった。

ナスダックにレバレッジを利かせれば、大きく変われるかもしれない。とにかくチャンスがなければ勝負にならない。そう考えて、鉄の意思でガチホすると決めた記憶があります。

ただし、これは生き残った側の記録です

ここは正直に書いておかなければいけません。

同じように「鉄の意思」でレバレッジ商品を握って、退場した人はたくさんいます。その人たちはブログを書きません。だから読者の目に入るのは、私のように生き残った側の記録だけになります。

私の決断が正しかったのか、単に運が良かったのかは、いまでも判断がつきません。リーマンからの12年で「下落しても売らなければ戻る」という体験をしていたことが背中を押しましたが、その体験自体が、たまたま生き延びた一例にすぎません。

レバレッジ商品は指数の値動きの倍が動く設計で、下落局面での毀損が大きく、長期保有の前提が通常のインデックス投信とは異なります。50代が資産をまとめて入れる先として、一般的に推奨される商品ではありません。同じことをする人には、勧めないと言っておきます。

そして2022年、大きな下落が来た

案の定というべきか、2022年に大きく長い下落が来ました。

耐えられたのは、残り半分を積立で買い続けている最中だったからです。下がっている局面は、積立にとっては買い増しの局面でもある。だから「想定通りだ」と自分に言い聞かせることができました。

一括だけだったら耐えられたかどうか、正直わかりません。半分を積立にしていたことが、精神的な支えとして機能したというのが実感です。

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コロナ禍にFP2級の勉強をして、確信を強めてしまった

同じ2020年、引きこもり期間にFP2級の勉強もしました。試験は受けていないので資格は持っていません。純粋に知識として学んだだけです。

やってみて何が起きたかというと、20年以上「なんとなく入らない」で通してきた判断に、後から制度的な裏づけがついたという感覚でした。高額療養費制度も傷病手当金も遺族年金も、名前は知っていても中身は曖昧なまま来ていたのが、体系的につながった。

上司に「馬鹿なのか」と言われたときは根拠を言語化できていませんでしたが、このとき初めて説明できるようになりました。

そして、もう一つ起きたことがあります。「世間で常識と呼ばれているものは、逆をやるくらいでちょうどいい」という考えが、さらに強くなりました。

もともと他人と同じことをするのが好きではありません。そこに制度の知識が加わって、「みんなが当たり前に払っているもの」の中身がスカスカに見える場面が何度もあり、その傾向に拍車がかかりました。レバナスに向かったのも、この延長線上にあります。

ただ、その思考は当たりも外れも生みました

正直に書いておきます。

同じ「常識の逆」という考え方が、保険では当たり、教育費では外れました。

保険に入らなかったのは、公的制度という裏づけを確認したうえでの判断でした。一方、教育費をノープランで通したのは、裏づけを取らないまま「何とかなるだろう」で押し切っただけです。形はどちらも「常識の逆」ですが、中身がまったく違いました。

常識を疑うこと自体は、悪くないと思っています。ただ、疑ったあとに調べたかどうかで結果は分かれる。調べずに逆を行くのは、思考停止を裏返しただけです。それを自分でやってしまった領域が、確かにありました。

そして来年、長男が大学に進学します

いまがまさに、その答え合わせの時期です。

来年から長男が大学に進学する予定なので、NISAの積立をいったん止めて、そのぶんを学費に充てるつもりでいます。

学資保険に入らなかったこと自体を後悔してはいません。ただ、教育費を目的別に分けて管理していれば、いま積立を止める必要はなかったはずです。増やす手を一時的に止めて払う形になったのは、備え方の設計が甘かったからです。

結果的に何とかなっているのは、保険料を払わずに済んだぶんが貯金と投資として残っていたからにすぎません。目的別に貯めていたのではなく、たまたま別の場所にあったお金を回しているだけです。

多子世帯の支援は、我が家の場合「2人目の途中まで」で切れます

多子世帯向けの支援制度があります。子供が3人いるので対象になります。所得制限はありません。

減免の上限額はこうなっています。

進学先授業料の減免(年額)入学金の減免
国公立大学約54万円約28万円
私立大学等最大70万円最大26万円

上限を超えた差額は自己負担です。

我が家は私立を想定しています。私立理系の学費は年間140万円ほどなので、70万円の減免だとちょうど半分。この規模は正直かなり大きいです。

ただし、この制度には落とし穴があります。要件が「扶養している子どもが3人以上」なので、上の子が卒業して扶養を外れると、その時点で人数が足りなくなります。

我が家は長男が高3、次男が高1です。試算すると、支援を受けられるのは次男の途中まででした。長男が卒業した時点で扶養が2人になり、そこで切れます。三男には届きません。

3人いれば3人とも支援される、という制度ではないわけです。上から順に進学していく世帯ほど、この影響をまともに受けます。

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下の2人は、レバナスを取り崩して充てる予定です

そういうわけで、下の子の学費については制度をあてにせず、レバナスを取り崩して充てるつもりでいます。

つまり我が家の場合、投資そのものが学資保険の代わりになっているという構造です。ただしこれは意図した設計ではなく、後から結果的にそうなっただけです。学資保険と違って元本保証はなく、必要な時期に下落していれば取り崩す額も変わります。タイミングを選べない支出を、値動きのある資産で賄うというのは、本来あまり褒められた設計ではありません。

学資保険に入らないと決めるなら、その分を教育費として別に管理するほうが、私のやり方より確実に安全です。

※ 多子世帯支援の金額・要件は2026年8月時点で確認したものです。制度は改定されるため、文部科学省・JASSOの最新資料を必ずご確認ください。学部や大学によって学費は大きく異なります。

この選び方をおすすめしない人

私はたまたまうまくいっただけかもしれません。以下に当てはまる方は、同じ選択をしないほうがいいと思います。

  • 生活防衛資金が薄い人:現金がなければ成立しません。まず貯めるのが先です
  • 自営業・フリーランスの方:傷病手当金がありません。会社員とは前提が違います
  • 持病・既往症がある方:必要になってから入り直せない可能性があります
  • 健保組合の付加給付がない方:自己負担の上限が変わります
  • 配偶者に就労能力がなく、稼ぎ手が倒れると即座に詰む世帯
  • 教育費を別に管理するつもりがない方:学資保険に入らないなら、その分を別枠で貯めるほうが安全です。私のように「たまたま残っていた」に頼るのは再現性がありません

もし私がいま30代なら

順番はこうします。

  1. 自分がどこまで公的に守られているかを調べる(高額療養費・傷病手当金・遺族年金・自治体の医療費助成・勤務先の健保組合)
  2. 生活防衛資金を作る
  3. 教育費は目的別に分けて管理する(ここは私が失敗した部分です)
  4. そのうえで、それでも埋まらない部分だけ保険で埋める

「入る/入らない」の二択ではなく、「どこまで公的制度で足りるか」を先に確かめる問題だと思っています。

よくある質問

Q. 1馬力・子供3人で生命保険なしは無謀では?

遺族年金があるので、ゼロから全部を民間保険で用意する必要はありません。ただし遺族年金だけで足りるかは世帯によります。試算してから判断してください。

Q. 学資保険なしで教育費は足りましたか?

いま長男の進学を前に、NISAの積立を止めて学費に充てようとしているところです。足りなくはないものの、増やす手を止める形になりました。計画していたからではなく、保険料を払わなかったぶんがたまたま別の場所に残っていただけなので、褒められたやり方ではありません。

Q. 塾には通わせましたか?

通わせていません。教育費として意識的に払ってきたのはスタディサプリの月額だけです。

Q. 下のお子さん2人の学費はどうしますか?

レバナスを取り崩して充てる予定です。ただし元本保証はないので、必要な時期に下落していれば取り崩す額も変わります。タイミングを選べない支出を値動きのある資産で賄うのは、本来あまり褒められた設計ではありません。

Q. 多子世帯の支援制度は使えますか?

対象にはなりますが、我が家の試算では次男の途中までで切れ、三男には届きません。要件が「扶養している子どもが3人以上」なので、長男が卒業して扶養を外れた時点で人数が足りなくなるためです。3人いれば3人とも支援される制度ではない、という点はご注意ください。

Q. 健保組合の付加給付はありましたか?

ありません。標準の高額療養費制度だけを前提にしています。付加給付のある会社にお勤めなら、私より有利な条件で判断できるはずです。

Q. 貯蓄が少ない人が真似していいですか?

おすすめしません。この選択は現金があって初めて成立します。順番としては貯金が先です。

Q. 自動車保険と火災保険に入っているのは矛盾では?

矛盾ではないと考えています。貯金では埋まらず公的制度も助けてくれないリスクにだけ保険を使う、という一貫した基準です。

Q. 生命保険料控除があるので、入ったほうが得ではないですか?

控除で戻るのは払った保険料の一部で、差し引きでは払ったほうが多くなります。保障が必要で入るなら控除はおまけとして受け取ればいいと思いますが、控除を目的に入るのは順序が逆だと考えています。

Q. レバナスに一括投資したのは真似していいですか?

おすすめしません。私の場合はリーマンからの12年で「売らなければ戻る」という体験をしていた影響が大きく、その体験自体がたまたま生き延びた一例です。同じ判断で退場した人の記録は表に出てこない、という点は忘れないでください。

Q. 出世コースを外れたから勝負できた、ということですか?

結果論としてはそう思っています。ただ、外れたこと自体は狙ったわけではなく、常識外れの価値観で異端児扱いされていた結果です。外れれば誰でもチャンスを掴めるという話ではありません。

まとめ

保険に入らないほうが得だ、と言いたいわけではありません。

伝えたいのは、自分がどこまで公的に守られているかを知らないまま払い続けるのが、一番もったいないということです。調べたうえで必要だと判断して入るなら、それは正しい支出です。

私の場合は、調べた結果として自動車保険と火災保険だけが残りました。そして払わずに済んだお金が、リーマンショックで一度凍りついて、12年後に戻ってきて、いまはレバレッジをかけた勝負の原資になっています。

異端児扱いされて出世コースから外れた人間が、常識外れの選択を積み重ねてきた記録です。その積み重ねが正しかったのか、たまたま生き残っただけなのかは、まだわかりません。判断がつくのは、たぶんもう少し先です。

そして今月、高額療養費制度が改正されました。私が20年前に置いた前提は、少しずつ動いています。決めたことを一度も見直さないのは、常識を疑わないのと同じくらい危うい——そう思いながら、数字を追い続けるつもりです。

上司に「馬鹿なのか」と言われた判断は、20年経ってもまだ変えていません。ただ、教育費については彼の心配のほうが正しかったと、いまは思っています。来年、積立を止めて学費を払いながら、それを確かめることになります。

免責

この記事は運営者個人の選択の記録であり、保険への加入・非加入、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。運営者はFP2級の勉強をしましたが、試験は受けておらず資格は保有していません。本記事は専門家による助言ではありません。

記事内の制度の金額・要件は2026年8月時点で確認したものです。制度は改定されるため、判断の際は厚生労働省・全国健康保険協会・日本年金機構・文部科学省・JASSO、およびお住まいの自治体と勤務先の健保組合の最新資料をご確認ください。

必要な保障や適切な投資判断は、健康状態・家族構成・勤務先の制度・資産状況によって大きく変わります。最終的な判断はご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

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