📋 この記事でわかること
- 「ボーナスは全額貯金」派が多数なのに、じわじわ損をしている理由
- 貯金の”実質的な価値”が物価高でどれだけ減るかの具体的な数字
- 貯金をやめずに、貯金”だけ”をやめるという考え方
「ボーナスには手をつけない。年2回とも全額貯金。これって当たり前ですよね?」——Yahoo!知恵袋で、こんな質問を見かけました。回答欄は「堅実で素晴らしい」という声と「それだけだと損してますよ」という声に割れていました。
どちらの気持ちもわかります。私は50歳の営業職。子供3人の5人家族を1馬力で支えていて、ボーナスは長いこと「全額貯金が当たり前」の側でした。この記事は、その私が「貯金が静かに目減りしていた」と気づくまでの、少し遠回りな話です。何かを売り込む記事ではないので、安心して読み進めてください。
📚 このシリーズの記事(ボーナスでNISA原資を作る)
- 【気づき編】ボーナス全額貯金の落とし穴(今読んでいる記事)
- 【考え方編】貯金と投資、比率で悩むのをやめる
- 【設定編】ボーナス設定・年初一括の手順
- 【実績編】いくら入れる?2年半の運用実績
固定費から原資を作る方法は こちらのシリーズで解説しています。
「残高を見たことがない」くらい、貯金は当たり前だった
正直に書くと、私は出世コースから早々に外れたタイプの会社員です。給料が大きく増える見込みがない分、守りだけは徹底してきました。転勤で3回引っ越しましたが、選んだ住まいはすべて「身の丈以下」の賃貸。家賃を抑え、固定費を抑え、ボーナスは使わずに貯める。それで家計は回っていました。
ただ、いま振り返ると危うい状態でもありました。貯金には余裕があるだろうと思ってはいたものの、残高をちゃんと確認したことがなかったのです。「退職までは惰性で生活できるだろう」という、根拠のない漠然とした安心感。お金について考えること自体を、貯金という習慣に丸投げしていました。
気づいたきっかけは、2020年の緊急事態宣言
2020年の春、緊急事態宣言で営業の仕事も休日の過ごし方も一変しました。急にできた手持無沙汰な時間を、私はほぼすべてYouTubeに注ぎ込みました。最初はただの暇つぶしです。ところが、お金や投資、生き方についての動画を見続けるうちに、自分の中の「常識」が10年以上更新されていなかったことに気づかされました。
いちばん衝撃だったのは、貯金は「減らないお金」ではなく「物価が上がると実質的に減るお金」だという、言われてみれば当たり前の事実でした。
💬 実際どうなのか
たとえば500万円の貯金は、物価が年2%上がり続けると、10年後には今の約410万円分のものしか買えなくなります。通帳の数字は1円も減らないのに、90万円分の「買える力」が消える計算です。スーパーの値札が数年前より明らかに上がったと感じるなら、それはすでに起きていることです。
✅ 対策
貯金をやめる必要はありません。生活を守るお金はむしろ貯金が最適です。見直すべきは「全額を」貯金に置くこと。守りに必要な分を確保した上で、残りの一部を物価と一緒に育つ資産(投資信託など)に移す、という順番で考えます。
全額貯金派だった私が、実際にやったこと
知識を入れた後も、すぐには動けませんでした。決心してネット証券の口座を作り、初めて投資信託の買付ボタンを押すとき、手が震えたのを今でも鮮明に覚えています。何十年も「お金は減らさないもの」として生きてきた人間にとって、値動きのあるものにお金を移すのは、それくらいの一大事でした。
それから約6年。少額から始めて値動きに慣れ、2024年からは「毎月5万円+冬のボーナスから60万円だけ投資に回す」という自分ルールに落ち着きました。夏のボーナスは今も全額、生活の守りに使っています。全額貯金をやめただけで、貯金そのものは今も家計の土台です。コツコツ積み立てるうちに、インデックスの積立が「貯金代わり」という感覚に変わっていきました。あの震えた手が嘘のようです。
⚠️ 以下に当てはまる方は慎重に検討してください
- 生活費6ヶ月分の貯金がまだない方(まずは全額貯金が正解です)
- 数年以内に教育費・住宅などの大きな支出が控えている方(その分は貯金のままに)
- 「すぐ増やしたい」が動機の方(投資は増えない時期・減る時期が普通にあります)
✔️ 以下の方に向いています
- ボーナスを何年も全額貯金していて、ふと「このままでいいのか」とよぎった方
- スーパーやガソリンの値上がりを実感していて、貯金の価値が気になり始めた方
- 投資に興味はあるが、何から考えればいいか分からない方
どこから考え始めればいいか
いきなり「何を買うか」から入ると、私のように何年も足踏みします。順番はこうです。まず、生活費6ヶ月分と数年以内に使うお金を「守りの貯金」として確定する。次に、残ったお金のうち「減っても生活が変わらない額」を決める。金額が決まって初めて、入れ方や商品の話になります。
この「いくらを・どういう比率で」の考え方は、別の記事で私の実例つきで詳しく書いています。全額貯金歴が長かった人ほど、比率の考え方から入るのがおすすめです。
📝 まとめ
- 「ボーナスは全額貯金」は堅実に見えて、物価高の時代には実質的な目減りを受け入れる選択でもある
- 500万円の貯金は年2%の物価上昇で10年後に約410万円分の価値になる
- 貯金をやめるのではなく、「全額を」やめる。守りを確保した残りの一部から
- 手が震えるのは普通。少額で値動きに慣れる期間があっていい
気づいた日が、家計にとっては一番早い日です。まずは守りの枠の確認から始めてみてください。



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