「暴落したら、資産は何%くらい減るのか」
投資を始める前の私は、この質問に答えを持っていませんでした。持っていないまま、全財産を投じました。
その後19年で、私の口座は2回、半分になっています。1回目は2011年、2回目は2022年です。どちらも実額が残っているので、この記事ではその数字をそのまま出します。
先に結論を書くと、効いたのは下落率ではなく、下落が続いた年数のほうでした。
📋 この記事でわかること
- 私の口座の下落実績:−54.1%(2011年)と−46.6%(2022年)の実額
- 2022年の含み損は8,420,069円。1年でこれだけ減っています
- 年末の数字には、いちばん怖い下落が写っていないという話(2020年コロナ)
- 元本を回復するまでにかかった年数:7年
- 「%」で考えるのをやめて「金額」で決めるようにした理由
- 3行で終わる許容下落額シート(このページ内で完結します)
先に答え:私の口座は2回、半分になりました
| 1回目 | 2回目 | |
|---|---|---|
| 時期 | 2011年末 | 2022年 |
| 何が起きていたか | リーマン後の低迷+震災+欧州債務危機 | 米国の利上げ |
| 下落率 | −54.1% | −46.6% |
| 実額 | 294万円 → 135万円 | 1,872万円 → 1,000万円 |
| 減った額 | 約159万円 | 8,718,141円 |
| そのとき私がしたこと | 口座を開かなかった(気づいていない) | 買い増した |
19年で2回。ざっくり10年に1回は半分になる、というのが私の実感値です。もちろん私が持っていた商品の性質によるので、これがそのまま誰にでも当てはまる数字ではありません。ただ「半分になることはある」は、私にとっては仮定ではなく実績です。
1回目:2011年、294万円が135万円になっていました
2007年に全財産の約294万円を投資に回した直後、暴落が始まりました。私は怖くなって口座を開くのをやめ、そのまま13年間ログインしませんでした。
その13年ぶんの年末評価額が、証券会社の「資産推移」に残っていました。
| 年末 | 評価額 | 投じた294万円に対して |
|---|---|---|
| 2010年 | 1,568,077円 | −46.6% |
| 2011年 | 1,348,559円 | −54.1% |
| 2012年 | 1,628,772円 | −44.6% |
| 2013年 | 2,554,641円 | −13.1% |
| 2014年 | 3,059,119円 | +4.1%(元本回復) |
ここで一つ、正直に書いておきます。私はリーマンショックの底がいくらだったかを知りません。口座に残っているデータが2010年からだからです。2010年末で−46.6%、2011年末で−54.1%なので、2008〜2009年はもっと低かった可能性が高い。それしか言えません。
💬 「◯%まで下がった」という体験談を読むときの注意
10年以上前の口座残高は、証券会社の画面にも残っていないことがあります。私の場合、残っていたのは年末の評価額だけで、しかも2010年より前はありませんでした。
ネットで見かける「リーマンで◯%減った」という数字の多くは、本人の記憶か、指数の下落率です。自分の口座の実額とは別物だと思って読んだほうがいいです。私自身、この記事を書くまで「500万円を投資した」と記憶違いをしていました。
2回目:2022年、1年で8,420,069円の含み損
2回目はもっと生々しい記録が残っています。2021年に投資を再開して、レバレッジのかかった商品を中心に組みました。そして翌年、米国の利上げが始まりました。
| 2021年末の評価額 | 18,723,901円 |
| 2022年末の評価額 | 10,005,760円 |
| 1年の変化 | −8,718,141円(−46.6%) |
| 2022年末時点の含み損 | −8,420,069円(−45.70%) |
| この年に口座から出したお金 | 1,446円 |
この「出金1,446円」が、私にとっては大事な記録です。売って逃げていないことの証明だからです。1年で872万円減って、口座からはコーヒー数杯分しか出していません。
そして、この年に私がやっていたのは買い増しでした。取引履歴を数えると、2022年だけで342万円ぶん買っています。
- レバレッジ型の投信を17回、合計1,400,000円
- 3倍レバレッジ型の投信を18回、合計2,000,000円
- ポイントで買った端数が4回、22,381円
1回目(2011年)は「気づいていなかったから売らなかった」。2回目(2022年)は「見たうえで買い足した」。同じ半減でも、この2つはまったく別の経験でした。
⚠️ 慎重に読んでください
2022年の−46.6%は、レバレッジのかかった商品を多く持っていた結果です。全世界株や米国株のインデックス1本なら、同じ年の下落はもっと浅く済んでいます。私の下落率をそのまま自分に当てはめないでください。
逆に言えば、下落率は相場が決めるのではなく、自分が選んだ商品が決めます。この記事でいちばん伝えたいのはそこです。
年末の数字には、いちばん怖い下落が写っていません
ここで、この記事の数字の弱点を書いておきます。
私の口座に残っているのは年末時点の評価額だけです。年の途中でどこまで下がったかは記録されていません。
いちばんわかりやすいのが2020年です。この年の3月にコロナショックがあり、世界中の株価が短期間で急落しました。ところが私の口座の年末評価額は、こうです。
| 2019年末 | 4,285,892円 |
| 2020年末 | 4,519,098円(+5.4%) |
プラスで終わっています。年末の数字だけを見れば、2020年は「何も起きなかった年」に見える。実際には3月に大きく下げて、年内に戻していたはずです。
つまり、年単位の記録は下落を過小評価します。「暴落は何%下がるか」を年末データで測ると、実際に画面で見る数字より必ず浅くなる。この記事の−54.1%も−46.6%も、途中はもっと悪かった可能性があると読んでください。
下落率より効いたのは、「何年続いたか」でした
2回の半減を経験して、はっきりわかったことがあります。%の深さより、期間の長さのほうが人を折ります。
| 年数 | |
|---|---|
| 2007年に買ってから、元本294万円を回復するまで | 7年(2014年) |
| 2011年の底から、元本を回復するまで | 3年 |
| 2022年の下落は1年で終わったか | いいえ。翌2023年も年末評価額は下がっています |
7年です。「長期投資は報われる」という言葉に、私はこの長さの実感を持っていませんでした。2011年、2012年、2013年と、毎年「今年も戻らなかった」が3回続くところを想像してみてください。−54%という数字より、こちらのほうがきついです。
私が2011年を耐えられたのは、耐えたからではありません。知らなかったからです。知ったうえで3年続けられるかどうかは、また別の話になります。
だから私は「%」ではなく「金額」で決めています
−50%と言われてもピンときません。私も来ませんでした。「294万円が135万円」と言われて初めて、手が止まる。
だから私は、投資額を決めるときに%を使うのをやめました。先に「いくらまで減っても生活と気持ちが壊れないか」を金額で決めて、そこから逆算します。
✍️ 3行で終わる「許容下落額シート」
紙でもスマホのメモでも構いません。次の3行を埋めるだけです。アプリも登録も不要、5分かかりません。
- いま投資に回している金額 → ______ 円
- その半分の金額(1行目 ÷ 2) → ______ 円
- 2行目の状態が3年続いたら、自分は売ってしまうか → 売る / 売らない
3行目が「売る」なら、投資額か商品のどちらかを見直すサインです。私の2011年は、まさに2行目の状態が3年続いた期間でした。
この判断は、暴落の最中にやると必ず間違えます。相場が静かないまのうちに書いておくことに、ほぼすべての価値があります。
3行目に「売らない」と書けたなら、次にやることは売らずに済む仕組みを作ることです。私の場合はそれが「積立を自動にして、止めない」でした。2022年に872万円減っても口座から1,446円しか出さずに済んだのは、そこを先に作っていたからです。
商品を選ぶ前に、下落率のほうを決める
順番の話をします。多くの人(過去の私を含む)は、商品を先に決めて、下落率をあとから受け取ります。2007年の私がまさにそれでした。本で読んだ言葉を並べて買い、−54%を後から知りました。
逆にすると、選択肢がはっきりします。
| 許容できる下落 | 選択肢の目安 | 私の実績で言うと |
|---|---|---|
| −20%くらいまで | 全世界株・先進国株のインデックス中心。現金比率を厚めに | 2018年の私の口座が−16.1%でした |
| −35%くらいまで | 米国株インデックス、特定テーマへの集中は控えめに | — |
| −50%を超えても続けられる | 集中投資・レバレッジ型も選択肢に入る | 2011年−54.1%/2022年−46.6%がこれです |
私は3段目を選んでいます。ただしそれは、1回目の半減を「知らないうちに」通過して、戻るところまで見てしまったからです。先に経験があるぶんズルをしています。最初からここを選ぶのはおすすめしません。
よくある質問
Q. インデックス投資でも半分になりますか?
私の2011年(−54.1%)は、毎月分配型・新興国・小型株・低位株を混ぜた口座の数字なので、インデックス1本の場合とは違います。ただし過去の代表的な株価指数は、リーマンショック時に半値近くまで下げています。「インデックスなら半分にならない」とは言えません。
Q. 下がっている間、何をすればいいですか?
私の答えは「下がる前に決めておいたことを、そのままやる」だけです。下落の最中に新しい判断をすると、たいてい悪い方向に行きます。私は1回目に「見ない」を選び(結果的に助かった)、2回目に「買い増す」を選びました。どちらも、下がる前に決めていたことの延長でした。
Q. 何年続くと考えておけばいいですか?
私の実績では、元本回復まで7年、底からでも3年かかりました。これは一例にすぎませんが、「数か月で戻る」を前提に計画を立てると苦しくなる、という程度には参考になると思います。
Q. 2回とも売らずに済んだのはなぜですか?
1回目は気づいていなかったからで、これは自慢になりません。2回目は積立を続けている最中だったからです。毎月買っていると、下がった局面が「損した局面」ではなく「安く買えた局面」に見えます。気持ちの問題ですが、この差はかなり大きいです。
📝 まとめ
- 私の口座は19年で2回半分になった(2011年−54.1%/2022年−46.6%)
- 2022年の含み損は8,420,069円。それでも口座から出したのは1,446円だけ
- 年末の数字は下落を過小評価する(2020年コロナは年末では+5.4%)
- 効いたのは%より年数。元本回復まで7年かかった
- 下落率は相場ではなく自分が選んだ商品が決める
- だから商品より先に、許容できる下落額を決める。3行のシートで足ります
この記事の数字は私の口座の実績で、将来の下落率を示すものではありません。ただ「半分になることはある」を仮定ではなく実績として置いておくと、商品選びの解像度は上がります。
※本記事は個人の運用記録であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。記載している金額は証券口座の取引履歴・資産推移データの実数値ですが、過去の下落率は将来の結果を保証しません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。



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