「レバナスとNASDAQ100トリプル、買うならどっちですか」。この質問に、両方を4年持っている人間として答えられるブログは多くないと思うので、書いておきます。横浜市在住・50歳営業職、特定口座でレバナスとトリプルを約5:5の方針で積み立ててきた会社員です。
先に私の結論を言うと「どっちか」ではなく「両方」でした。ただしこれは誰にでも勧められる答えではありません。この記事では2倍と3倍の設計の違い、4年間の実際の損益差、そして私が5:5に落ち着いた理由を、実データつきで整理します。
📋 この記事でわかること
- レバナス(2倍)とNASDAQ100トリプル(3倍・マルチアイ搭載)の設計の違い
- 2022年暴落での下落率と回復局面での伸びの実際の差
- 4年保有した両者の損益(+156.3%と+118.4%)の読み方
- 私が「5:5で両方」に落ち着いた理由と、その考え方が向く人・向かない人
設計の違い:常時2倍 vs ブレーキ付き3倍
レバナス(iFreeレバレッジNASDAQ100)は、常にNASDAQ100の約2倍で動くシンプルな設計です。上げも下げも常に2倍。挙動が予想しやすく、情報も多い。レバレッジ投信の王道です。
NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)は約3倍ですが、常時3倍ではありません。複数のリスク指標で市場局面を判定する「マルチアイ」が、リスク回避的と判定すると先物比率を自動で落とします。平時はレバナスより攻め、危険信号では自動でアクセルを緩める。攻撃力と引き換えに、挙動が読みにくいのが特徴です。
💬 実際どうなのか
2022年の暴落での最大下落は、レバナス系(常時2倍)が6割超、常時3倍のTQQQが約81%。それに対してトリプルは約55%で、3倍なのに常時2倍より浅く済みました。マルチアイのブレーキが効いた形です。ただし逆に、急反発の初動ではブレーキが残って伸び遅れることがある。「下げに強く、切り返しに鈍い」が4年見てきた私の実感です。
4年間の実損益で比べる
私の口座の実数です(2026年7月16日時点・松井証券分)。レバナス:評価額2,661万円・+156.3%。トリプル:評価額1,254万円・+118.4%。「3倍のほうが2倍より損益率が低い」という、直感に反する結果になっています。
理由は2つ。ひとつは買付時期と金額の配分が同じではないこと。もうひとつは、マルチアイのブレーキが回復局面の一部を取り逃すことです。下落を浅くする保険料を、上昇の一部で払っている——トリプルとはそういう商品だと理解しています。逆に言えば、常時3倍(TQQQ級の-81%)を食らっていたら、私は多分どこかで握力が尽きていました。「損益率で負けても、握り続けられたことで勝っている」。これがブレーキの本当の価値です。
| 項目 | レバナス | トリプル(マルチアイ) |
|---|---|---|
| 倍率 | 常時 約2倍 | 約3倍(自動調整あり) |
| 2022年の最大下落 | 6割超 | 約55% |
| 回復局面 | 素直に2倍で伸びる | 初動が鈍いことがある |
| 挙動の読みやすさ | 読みやすい | モデル次第で読みにくい |
| 償還日 | ー | 2031年3月(期限あり) |
| 私の実績(松井) | +156.3% | +118.4% |
✅ 対策
どちらか一方に決められないなら、比率を決めて両方持つ手があります。私は「2倍の素直さ」と「3倍の下落抑制」は別々の武器だと考えて5:5にしました。値動きの性格が違う2本に分けることで、「どちらの相場が来ても片方は機能している」状態を作れます。
私が5:5にした理由
『ブラックスワン』の発想で言えば、未来は予測できない。次の暴落が「じわじわ型」(ブレーキが効きやすい)なのか「瞬間暴落型」(どんな設計でも喰らう)なのかも予測できません。予測できないなら、賭け先を割る。レバナスとトリプルの5:5は、私にとって銘柄分散ではなく「暴落の形に対する分散」です。
もうひとつ現実的な理由もあります。トリプルには2031年3月の償還日があり、無期限には持てません。全額をトリプルに寄せると、償還のタイミングでポートフォリオ全体が強制リセットされます。期限のないレバナスを半分持っておくことは、時間軸の分散でもあります。
⚠️ 以下に当てはまる方は慎重に検討してください
- そもそもレバレッジ型が初めて(まずどちらか1本を少額で)
- 「マルチアイがあるから安心」と保険のように考えている
- NISA枠で買うつもりでいる(どちらも新NISA対象外)
- 償還日の存在を今日初めて知った
- 下落局面で追加投資する余力を残していない
✔️ 以下の方に向いています
- レバレッジ型の下落を経験済みで、攻め枠の配分を最適化したい
- 「暴落の形」まで含めて分散する考え方に納得できる
- 償還までの時間軸(2031年)を含めて設計できる
- 比率を決めたら途中で頻繁にいじらない自信がある
なお、レバナスもトリプルも私は松井証券でまとめて積み立てています。両方を扱うネット証券なら1口座で管理でき、NISA(私はFANG+)との併用も同じ画面で完結します。
後悔しない選び方
選ぶ基準は損益率の見た目ではなく、「次の暴落の朝に、自分がどっちなら売らずにいられるか」です。素直な2倍に安心する人もいれば、ブレーキ付きに安心する人もいる。ここは性格の問題で、正解はありません。迷うなら少額で両方を3ヶ月持ってみて、下落した日の自分の心拍数で決める——冗談のようですが、これが一番確実な方法だと思います。
配分を決めたあとのルールが9割
5:5と決めても、実際に運用すると比率は毎日ズレていきます。レバナスが伸びれば6:4になり、トリプルが伸びれば逆に振れる。ここで「リバランスすべきか」が問題になりますが、私の答えは「しない」です。売ってバランスを直すと課税が発生し、複利が削れる。私は新規の積立配分だけで緩やかに調整し、既存ポジションには触りません。比率はあくまで目安で、厳密さより「触らないこと」を優先しています。
積立の入れ方も決めてあります。毎月の積立は両方に同額。増額するときは年1回だけ、相場が荒れていない時期に見直す。下落局面で「どちらかに寄せたくなる」誘惑が必ず来ますが、それは相場予測をしている自分に気づくサインです。予測はしない、が大前提なので、配分変更は機械的なスケジュールでしか行いません。
なお、どちらも新NISAでは買えないため、この2本は必然的に特定口座での運用になります。私は非課税枠を別途FANG+で埋めており、「NISA=等倍のテック集中、特定=倍率もの」という役割分担です。レバレッジ2本の比較で悩んでいる方も、先にNISA枠の使い道を固めてからのほうが、全体の設計はきれいになります。
よくある質問
Q. これから始めるなら、どちらか1本ではダメ?
A. 1本で十分です。むしろ最初は1本を少額で持ち、下落局面を最低1回経験してから2本目を考えることを勧めます。私の5:5は「両方の値動きに慣れた後」の形であって、入口の形ではありません。
Q. 両方持つと管理は大変?
A. ほとんど変わりません。どちらも積立を自動化してしまえば、やることは月1回評価額を記録するだけです。大変なのは管理ではなく、下落時に触らずにいることのほうです。
Q. 5:5以外の比率はあり?
A. もちろんです。読みやすさ重視ならレバナス多め、下落抑制重視ならトリプル多め。大事なのは比率の数字ではなく、「なぜその比率にしたか」を自分の言葉で説明できることです。説明できない比率は、下落時に必ず守れなくなります。
Q. 下落局面ではどちらを買い増すべき?
A. 私はどちらも「予定どおりの積立額」以上には買い増しません。下落時の買い増しはリターンを押し上げる可能性がある一方、「もっと下がったらもっと買う」の際限がなくなり、余裕資金の壁を越えがちです。ルール外の行動を1回許すと2回目は簡単になる。買い増すなら「下落率◯%で◯円まで」と平時に決めておくべきです。
補足として、どちらの商品もレンジ相場での減価は避けられません。トリプルのマルチアイは暴落への備えであって、ジグザグ相場での目減りを防ぐ機能ではない点は、比較の前提として押さえておいてください。上にも下にも行かない相場が長引くほど、レバレッジ型は等倍に対して不利になります。私が「攻め枠は資産の一部」と繰り返すのは、この減価と付き合う覚悟込みの話です。
最後に、この比較を読んでいる方がいちばん知りたいであろう「結局あなたはどちらが好きなのか」に答えておきます。好きなのはレバナスです。挙動が素直で、4年付き合って裏切られた感覚がない。それでもトリプルを手放さないのは、好き嫌いと設計は別物だからです。好みで資産配分を決めると、好みが変わったときに配分も崩れます。感情は感情として認め、配分はルールで決める。両方持ちの4年間で身につけた、いちばん実用的な知恵かもしれません。
📝 まとめ
- レバナス=常時2倍で素直、トリプル=自動ブレーキ付き3倍で読みにくい
- 2022年暴落はトリプル(-55%)のほうが浅かったが、回復の初動はレバナスが素直
- 4年の実績はレバナス+156.3%・トリプル+118.4%(時期・配分差あり、2026年7月時点)
- 私は「暴落の形への分散」と「償還期限の分散」で5:5。決め手は損益率でなく続けられるか
2倍か3倍かは、実は「どれだけ増やすか」ではなく「どうやって降りずにいるか」の選択です。自分が降りない形を選んでください。
※本記事は筆者個人の体験記録であり、特定の金融商品の推奨ではありません。レバレッジ型投資信託は極めて大きな元本割れリスクがあります。数値は筆者口座の実績および公開情報に基づきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。



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