クレジットカードの個人賠償責任保険はいくら?ゴールドでも20万円でした|3つの器を比べて火災保険に決めた理由【9,520万円の0.2%】

クレジットカード付帯の個人賠償20万円と火災保険1億円を比べたアイキャッチ 保険・通信費見直し

📋 この記事でわかること

  • カードの個人賠償責任保険がランク別にいくらなのか(公表資料の実数)
  • 自動付帯ではなく「選んで申し込むもの」だという仕組み
  • ショッピング保険と賠償責任保険の、守っている向きの違い
  • 火災保険・自動車保険・カードの3つを比べて、どこに付けるのがいいか

家族の個人賠償責任保険がゼロだと気づいたとき、私が最後の望みをかけたのがクレジットカードでした。

「たしか付帯保険に賠償のやつがあったはずだ。ゴールドカードだし、付けられるなら、もうこれでいいんじゃないか」

正直、一瞬そう思って終わりかけました。実際に会員サイトを開いて数字を見るまでは。

この記事は、その数字を見てから考え直すまでの記録です。カード会社の公表資料を実際に突き合わせた結果と、最終的に火災保険に付けることにした理由を、金額ごと全部出します。

結論:ゴールドカードでも、20万円のことがある

いちばん驚いたのがここでした。三井住友カードが公表している「カード別保険金額一覧」から、個人賠償責任危険補償の欄だけを抜き出します。

カード種別個人賠償責任危険補償
Visa Infinite・プラチナ1億円
プラチナプリファード(年会費33,000円)100万円
ゴールド(NL)・Oliveフレキシブルペイ ゴールド20万円
一般A・アミティエ・一般(NL)・一般(CL)・Olive一般20万円
三井住友カード「カード別保険金額一覧」より、個人賠償責任危険補償の欄を抜粋(2026年9月時点)

ゴールドでも、一般カードと同じ20万円です。ランクを上げても1円も増えていません。年会費33,000円のプラチナプリファードでようやく100万円で、1億円になるのは最上位のプラチナ以上だけでした。

💡 ポイント

ゴールドでも一般カードと同じ20万円です。ランクを上げても1円も増えていません。年会費33,000円のプラチナプリファードでようやく100万円で、1億円になるのは最上位のプラチナ以上だけでした。

この20万円が、どのくらいの数字なのか。自転車事故の賠償で有名な判決と並べてみます。

金額
神戸地裁 平成25年7月の判決(加害者は小学5年生)9,520万円
ゴールドカードの個人賠償20万円
カバーできる割合0.2%

残り9,500万円は自腹です。「ゴールドカードに付いているから、うちは大丈夫だろう」という私の見立ては、まったく当てになりませんでした。

そもそも「付帯している」ことのほうが少ない

もうひとつの勘違いがこれでした。海外旅行傷害保険のように持っているだけで自動で付いてくる、と思い込んでいたのです。

調べてみると、個人賠償責任保険は自動付帯ではなく、任意加入のオプションであるのが基本でした。三菱UFJカードもJCBも、カードを持っているだけでは適用されず、別途申し込みが必要だと明記しています。

  • 三菱UFJカード「ハンディー保険」日常生活賠償プラン……月210円〜360円の3段階から選択。最大1億円まで(2025年5月時点)
  • JCB……同社の解説では、カードの個人賠償責任保険は月200〜300円台のものが多く、高くても1,000円程度

つまり有料オプションなら、月200〜300円台で1億円まで引き上げられるということでもあります。無料で付いている20万円と、月300円の1億円。同じ「カードの個人賠償」でも、まったく別の商品です。

本当に自動で付いてくるのは、最上位カードくらいでした。

  • アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード……最大1億円・家族特約あり。ただし示談交渉サービスなし
  • ダイナースクラブ プレミアムカード……最大1億円・家族特約あり・示談交渉サービスあり
  • ダイナースクラブカード……年4,960円の「ダイナース ライアビリティプラン」に加入すると最大1億5,000万円、受託者賠償責任保険付き

年会費が数万円から十数万円の世界です。個人賠償のためにこのクラスを持つ、という発想にはなりませんでした。

そして示談交渉サービスの有無がカードによって違うのも、ここで初めて知りました。自転車事故には自賠責保険がないので、示談代行がないと、加害者側の自分が被害者やそのご家族と直接、金額の交渉をすることになります。最高ランクのカードでも付いていないことがある、というのは覚えておく価値があります。

「選べる無料保険」は、選んでいなければゼロ

さきほどの20万円にも、続きがありました。あれは「選べる無料保険」という仕組みで提供されているもので、7つの補償プランから1つを選んで申し込む方式です。

  • スマホ安心プラン(動産総合保険)
  • 弁護士安心プラン(弁護士保険)
  • ゴルフ安心プラン(ゴルファー保険)
  • 旅行安心プラン(海外・国内旅行傷害保険)
  • 日常生活安心プラン(個人賠償責任保険)
  • ケガ安心プラン(入院保険・交通事故限定)
  • 持ち物安心プラン(携行品損害保険)

つまりスマホ安心プランを選んでいる人の個人賠償はゼロです。20万円ですらありません。しかも毎月20日までに選択すると翌月1日から1年間、という更新制でもあります。

ここがいちばんの落とし穴だと思いました。「カードに付いている」と思い込んでいるだけで、選択画面を一度も開いたことがない。私がまさにそうでした。スマホの画面割れのほうが起きそうだからスマホ安心プランを選んだ、という人は多いはずです。その選択自体は合理的ですが、そのとき個人賠償は消えています。

ショッピング保険と取り違えていないか

カードの保険ページを開くと、補償がずらりと並んでいます。「何かしら賠償のやつがあった気がする」で済ませると、ほぼ確実にこれと取り違えます。

ショッピング保険(お買物安心保険)は、賠償責任保険ではありません。カードで買った品物が壊れたり盗まれたりしたときの補償で、年間100万〜300万円という金額が自動で付いていることが多いので、いちばん紛らわしい存在です。

同じテレビで例えると、こうなります。

できごと働く保険
カードで買ったテレビを、自宅で落として壊したショッピング保険(自分の物の補償)
店頭のテレビを倒して壊した個人賠償責任保険(他人への賠償)
子供が自転車で人にケガをさせた個人賠償責任保険
カードで買ったパソコンが自然故障したどちらも対象外(メーカー保証の領域)

守っている向きが逆です。ショッピング保険は自分の財布を守る保険で、個人賠償は相手に払うための保険。名前も置き場所も似ていますが、まったくの別物でした。

いちばん怖いのは、本体ごと消えること

金額の話より、私にとって決定的だったのはこちらでした。

カードを解約すると、付帯していた保険も一緒に解約になります。

これは私が自動車保険でやったことと、まったく同じ構造でした。前年に自動車保険を他社へ乗り換えたとき、付いていた個人賠償責任特約がそのまま消えていたのです。保険をやめたつもりはありません。保険がぶら下がっている「本体」を乗り換えただけでした。

カードだと、これがもっと軽い動作で起きます。

  • 年会費を整理しようとして、使っていないカードを解約した
  • ポイント還元率の高いカードに乗り換えた
  • 家族カードをやめた

どれも家計の見直しとしては正しい行動です。でもそのたびに、気づかないまま賠償の備えが消える可能性がある。個人賠償は火災保険・自動車保険・クレジットカードと、どこにでもぶら下がれる便利な特約ですが、便利さの裏返しで「本体の都合で勝手に消える」という性質を持っています。

では、どこに付けるのがいいのか

ここまで来て、論点が「いくらか」から「どこに付けるか」に移りました。個人賠償を付けられる器は、家庭にたいてい3つあります。

火災保険自動車保険クレジットカード
限度額の相場1億円1億円〜無制限20万円〜1億円(差が激しい)
上乗せ費用の目安月190円
(私の契約の実額)
月100〜200円程度無料〜月360円
示談交渉サービス付いていることが多い付いていることが多いカードによる
使ったときの不利益なしなし(ノーカウント事故)なし
本体が消えるリスク低い
住む限り契約している

車を手放すと消える
高い
解約・乗り換えで消える

自動車保険の欄に「使ったときの不利益なし」と書いたのには理由があります。個人賠償責任特約の保険金だけを使った場合は「ノーカウント事故」に分類され、翌年の等級は下がりません。それどころか通常どおり1等級上がり、事故有係数適用期間も付きません。

つまりこの特約は、使うことを一切ためらわなくていい補償です。車両保険や対物とは性格がまったく違います。私は去年、価格差だけを見てこれを外しましたが、この事実を知っていたら判断は変わっていたかもしれません。

私が火災保険に決めた理由

表の最後の行です。いちばん解約する予定のない本体に付ける。

車は手放すかもしれません。カードは来年には別のものに乗り換えているかもしれません。でも賃貸に住んでいるかぎり、火災保険だけは必ず契約しています。むしろ賃貸借契約の条件になっていることがほとんどで、こちらの都合で解約できません。

実際に入り直した契約では、個人賠償1億円の上乗せぶんが月190円でした。年に2,280円。示談交渉サービスも付いています。

ただし正直に書いておくと、これで完璧になったわけではありません。契約前に重要事項等説明書を最後まで読んだら、示談交渉サービスには「賠償責任の額が保険金額を明らかに超える場合は使えない」という条項がありました。1億を明らかに超える事故では、示談代行がいちばん必要なその場面で外れる、ということです。

そのため我が家は、限度額3億円クラスの自転車保険を上積みする方向で検討しています。「どこに付けるか」を決めたあとに、まだ「いくらにするか」が残っている状態です。

この条項の全文と、個人賠償で出る例・出ない例は個人賠償責任保険はどこまで出る?約款の免責条項を全部書き出しましたにまとめました。

✅ おすすめの理由

火災保険に付ける最大の理由は、保険料の安さではなく解約されにくさでした。車は手放すかもしれず、カードは乗り換えるかもしれません。でも賃貸に住むかぎり火災保険だけは契約が続きます。しかも上乗せは月190円で、示談交渉サービスも付いてきます。

⚠️ 注意点・デメリット

  • カードの個人賠償はカードを解約すると一緒に消える。年会費の整理や乗り換えのたびに補償が消える可能性がある
  • アメックス・プラチナには示談交渉サービスがない。限度額1億円でも、交渉は自分でやることになる
  • 「選べる無料保険」は選んでいなければゼロ。スマホ安心プランを選んでいる人に賠償の備えはない
  • 年間100万〜300万円で自動付帯しているのはショッピング保険で、賠償責任保険ではない

✔️ こんな人におすすめ

  • 賃貸に住んでいて、火災保険の加入が契約条件になっている(=解約できない本体がある)
  • カードを定期的に整理・乗り換えている
  • 車を手放す可能性がある
  • カードの付帯保険ページを一度も開いたことがない

今日、5分でできること

カードの会員サイトにログインして、「付帯保険」または「保険」のページを開くだけです。見るのは3つ。

  1. 個人賠償責任保険という項目があるか(ショッピング保険・お買物安心保険は別物なので、名前をよく見る)
  2. あるなら、保険金額はいくらか(20万円なのか1億円なのかで、意味がまったく違う)
  3. 選択制なら、いま何を選んでいるか(選んでいなければ、金額以前にゼロ)

私はこの3つを見て、カードを頼りにするのをやめました。逆に、ここで1億円と書いてあるなら、それはそれで立派な備えです。確認しないまま「たぶん付いている」で済ませるのが、いちばんまずい。

よくある質問

Q. 火災保険とカード、両方に付けたら無駄になりますか?

損害額を超えて受け取ることはできないので、損害が片方の限度内に収まる範囲では無駄です。ただし限度額を超える部分については、もう一方から出る建て付けになっているのが一般的です。

たとえば1億円と3億円を持っていて、賠償額が9,000万円なら、どちらか一方から9,000万円が出て終わりです。重ねた意味はありません。賠償額が2億円になって初めて、1億円を超えた分がもう一方から出ます。重ね掛けは「いちばん必要な領域でだけ効く」と考えておくのがよさそうです。

ただし書きぶりは商品ごとに違います。申し込むときに「他に個人賠償契約がある」と伝えて、上乗せとして機能するか確認してください。

Q. 家族も対象になりますか?

多くの場合、1契約で家族全員が対象です。私の契約では被保険者の範囲がこう決められていました。

  • 記名被保険者本人
  • その配偶者
  • 本人または配偶者の同居の親族
  • 本人または配偶者の別居の未婚の子
  • 本人や上記の方が未成年・責任無能力者の場合の親権者、その他の法定の監督義務者

最後の行が大事です。小学生が自転車で人をはねた場合、賠償能力のない子供ではなく監督義務者である親に請求が来ますが、その親もちゃんと被保険者に含まれている、という意味になります。子供のために別契約を用意する必要は、通常ありません。

ちなみに「別居の未婚の子」が入っているので、進学で下宿している子供もカバーされます(結婚すると外れます)。ここは商品によって条件が違うので、証券の被保険者欄を見てください。

Q. 年会費無料のカードで1億円にできますか?

無料の枠のままでは難しそうです。さきほどの一覧のとおり、無料で選べる補償は20万円でした。

ただし有料オプションなら話が変わります。三菱UFJカードの「ハンディー保険」は月210〜360円で最大1億円まで、JCBでも月200〜300円台の商品があります。カード本体の年会費が無料でも、保険だけ有料で足す、という選び方はできます。

ただその場合でも、カードを解約すれば保険も消えるという性質は変わりません。月200円台で1億円という条件だけを見れば悪くありませんが、我が家は「消えにくさ」を優先しました。

まとめ

📝 まとめ

  1. ゴールドカードでも個人賠償は20万円のことがある。一般カードと同額で、ランクを上げても増えない
  2. そもそも自動付帯ではなく、選んで申し込むものが基本。選んでいなければゼロ
  3. 年間100万〜300万円で自動で付いている補償は、たいていショッピング保険。守っている向きが逆
  4. 有料オプションなら月200〜360円で1億円まで上げられる
  5. カードを解約すると保険も消える。個人賠償は、いちばん解約しない本体に付けるのがいい

「たぶん付いている」のままにしておくのが、いちばん高くつきます。

  • ゴールドカードでも個人賠償は20万円のことがある。一般カードと同額で、ランクを上げても増えない
  • そもそも自動付帯ではなく、選んで申し込むものが基本。選んでいなければゼロ
  • 年間100万〜300万円で自動で付いている補償は、たいていショッピング保険。守っている向きが逆
  • 有料オプションなら月200〜360円で1億円まで上げられる
  • カードを解約すると保険も消える。個人賠償は、いちばん解約しない本体に付けるのがいい

私は結局、火災保険に月190円で付けました。保険料の安さより、住んでいるかぎり自分の意思では解約できない契約だからという理由のほうが大きかったです。

カードの会員サイトを開いて、3つ確認するだけなら5分で終わります。「たぶん付いている」のままにしておくのが、いちばん高くつきます。

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※この記事の金額は、各社が公表している資料を2026年9月に確認したものです。補償内容・保険金額・保険料は改定されることがあり、同じ名前のカードでも発行時期やプランによって条件が異なる場合があります。ご自身のカードについては、必ず会員サイトの付帯保険ページと保険会社にご確認ください。私は保険の専門家ではありません。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

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