📋 この記事でわかること
- 50歳の会社員が『ライフシフト(LIFE SHIFT)』を読んで「答え合わせ」だと感じた理由
- 本が勧める3つの無形資産(生産性資産・活力資産・変身資産)を、私がいま実際にどう伸ばしているか
- 「同じ方向性で、価値観はばらばら」な人に会いにいきたい理由
- 長く働くための本を、私が「長く、自分に正直に生きるため」の本として読んだ話
- 今日5分でできる、自分の無形資産の棚卸し
本を読んでいて、途中で手が止まることがあります。新しいことを知ったときではなく、自分が20年ぼんやりやってきたことに、他人がきちんと名前をつけてくれていたときです。
最近それが起きたのが『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』でした。人生100年時代という言葉を広めた本で、日本語版は2016年に出ています。いまさら感はありますが、50歳のいま読んだからこそ刺さったのだと思っています。
この記事は本の要約ではありません。要約ならもっと上手な記事がたくさんあります。この記事に書くのは、50歳・子供3人・一馬力の会社員が、自分のやってきたこととこの本を並べてみたら何が見えたか、という記録です。
結論:私がFIREを目指すのは、のんびりするためではありません
先に結論を書きます。
私はいま、会社を辞めても暮らしが回る状態、いわゆるFIREを目指しています。ただ、目的はのんびり時間をつぶすことではありません。昭和の価値観で敷かれた人生のレール、会社が作った規律、「普通はこうする」という常識。そういうものの外側に何があるのかを、自分の足で見にいきたいのです。
『ライフシフト』は、人生100年時代に「長く働く」ための戦略を書いた本です。私はそれを少しずらして、長く、自分に正直に生きるための本として読みました。働くことはその手段のひとつでしかない、という読み方です。この記事は、そのずらし方の話です。
『ライフシフト』を読んで、20年やってきたことに名前がついた
本の中身を、私が理解した範囲でざっくり書いておきます。
これまでの人生は「教育 → 仕事 → 引退」の3ステージでした。寿命が延びると、この3つでは収まらなくなります。引退後の期間が長くなりすぎて、お金も気力も持たないからです。そこで著者たちは、途中で学び直したり、働き方を変えたり、あえて立ち止まったりする「マルチステージ」の人生を提案しています。
そして、そのステージを渡り歩くために必要なのが、お金や家のような有形資産だけではない、という話が続きます。本では、目に見えない無形資産を3つに分けています。
| 無形資産 | 本での意味(私の言い換え) |
|---|---|
| 生産性資産 | 稼ぐ力につながるスキルや知識、評判 |
| 活力資産 | 心と体の健康、家族や友人との良い関係 |
| 変身資産 | 自分を知っていること、多様な人とのつながり、新しい経験に開かれていること |
もうひとつ、本には新しいステージの型がいくつか出てきます。私が引っかかったのは2つです。いろいろな場所や人を見て回り、自分に合うものを探す「エクスプローラー」。組織に属さず、自分の名前で小さく何かを生み出す「インディペンデント・プロデューサー」。どちらも若い人の選択肢として書かれている印象でしたが、読みながら「これは50歳の自分がいまやろうとしていることだ」と思いました。
💬 実際どうなのか
読みながら何度も思ったのは、「新しいことを教わった」ではなく「やっていたことに名前がついた」という感覚でした。学資保険に入らなかったのも、iDeCoをやらなかったのも、家を買わなかったのも、当時は理由を毎回ばらばらに説明していました。この本の言葉を借りると、それは全部「次のステージに移れる状態を残しておく」ための選択だったのだと思います。
3つの無形資産を、いま私はこう伸ばしています
本を読んで一番やりたくなったのは、自分の手元にある無形資産を数えてみることでした。きれいに整っているわけではありません。伸ばしている最中のものばかりです。
生産性資産:AIと話しながら、自分の経験を言葉にしている
このブログがそれです。書いているのは私ですが、実際にはAIと何往復も対話しながら、自分の経験や考えを言葉にしています。「なぜあのとき学資保険に入らなかったのか」と聞かれて答えているうちに、20年分の判断が一本の基準につながっていった、ということが何度もありました。
このやり方で身につくものは2つあると思っています。ひとつはITのスキルです。記事を書き、サイトを整え、検索の数字を見て直す。会社では触る機会のなかった作業ばかりです。もうひとつは、自分が何者なのかを言葉にする力です。会社の肩書きを外したときに、自分を説明できる言葉を、いま先に作っています。
本の言葉で言えば、このブログは私にとって小さなインディペンデント・プロデューサーの実験でもあります。会社の外で、自分の名前で何かを出してみる。反応がなくても、書いた記事は手元に残ります。
活力資産:朝食・ウォーキング・筋トレ・睡眠・読書
こちらは地味です。朝食を見直し、ウォーキングをし、筋トレをし、睡眠を整え、本を読む。この5つが、ようやく習慣になりつつあります。
朝食は、菓子パンをやめて手作りのおから蒸しパンに替えました。午前10時ごろに決まって来ていた眠気が減ったのが、最初に分かった変化です。どれも特別なことではありませんが、良い習慣は最強のスキルだと私は思っています。50歳を過ぎると、体が動くこと自体が次のステージに進むための前提になります。変身したくても、体がついてこなければ話が始まりません。
変身資産:知らない世界に、自分を連れ出す
ここが一番の課題です。正直に書くと、私は自分の知っている世界が狭いと感じています。お金の使い道を考えても、思いつくバリエーションが少ない。知らないものは、選択肢として頭に浮かびようがないからです。
そこでいま考えているのは、経験にお金を使うことを、半ば強制的にやってみることです。手元にあるヒルトンのカードや、ラグジュアリーカード(チタン)の特典を使い倒して、これまで選んでこなかった旅行や食事を体験してみる。日常の習慣とは別に、非日常の体験を意識的に作る、という計画です。まだ計画の段階なので、実際にやってみたらまた書きます。
4か月使った明細と、それでも会社員のうちに作った理由は「ラグジュアリーカード(チタン)は元が取れる?」に全部出しています。
✅ 自分の中では、あえて「浪費」と呼んでいる理由
経験にお金を使うことを「自己投資」と呼ぶと、元が取れたかどうかを測りたくなります。そうすると、結局は知っている範囲の、失敗しなさそうなものしか選べません。変身資産を増やすための支出は、外れることも含めて意味があるものだと思っています。だから自分の中では最初から「浪費」と呼んで、回収を期待しないことにしました。
「同じ方向性で、価値観はばらばら」な人に会いにいきたい
変身資産の中で、本が特に強調しているのが人とのつながりです。それも、似た者同士ではなく、多様な人的ネットワーク。読んでいて、ここは耳が痛いところでした。
私の周りにいるのは、ほとんどが会社員です。悪い意味ではなく、考え方がよく似ています。似ているから話は早いのですが、新しい選択肢が入ってくることはあまりありません。
ただ、ここで一度立ち止まりました。多様なら誰でもいいのか、というと、私の感覚は少し違います。向かっている方向がまるで違う人と話すと、正直なところ疲れてしまいます。私が会いたいのは、同じ方向を向いていて、価値観はばらばらな人たちです。レールの外を見たいという方向は同じで、そこへの行き方や大事にしているものは人それぞれ、という集まりです。
そう考えると、入口として一番現実的なのは、自分がふだんよく見ているコンテンツの周りだと思っています。発信者のメンバーシップやオンラインサロンに入って、オフ会に顔を出してみる。よく見ているということは、少なくとも方向性は近いはずです。こちらもまだ検討中で、参加したら様子を書くつもりです。オンラインサロンは中身の幅が大きいので、選ぶときは「何を教えてくれるか」より「どちらを向いている人が集まっているか」で見るつもりです。
もうひとつ、書いておきたいことがあります。私が抜け出したいのは、周りの会社員そのものではありません。自分の中にあるサラリーマンの考え方です。言われたことを言われた通りにやる。前例がないことはやらない。定年まで勤めるのが当たり前。私自身が一番その考え方に染まっていて、だからこそ、外の人の話を聞かないと自分では気づけないのだと思います。
⚠️ この考え方で、守れない場面
- まだ生活の土台が固まっていない時期。無形資産は、有形資産の上にしか積めません。私が経験にお金を使うことを考え始めたのも、手元の資金と投資がある程度そろってからです
- 家族の合意がない場合。非日常の体験も、会社の外の人とのつながりも、家族からは「急にどうしたの」に見えます
- 「会社員の考え方は悪い」と決めつけてしまうこと。会社の規律に助けられている部分は大きく、私もその恩恵を受けて20年やってきました
本と違うところ|長く働く本なのに、なぜFIREを目指すのか
ここまで「同じだ」と書いてきましたが、ひとつだけ、はっきり食い違うところがあります。
『ライフシフト』は基本的に、長く働くことを前提にした本です。寿命が延びるなら、働く期間も延びる。70代、80代まで何らかの形で働くことを想定して、そのために学び直しや健康を整えよう、という流れです。一方で、私は会社を辞めても暮らせる状態を目指しています。一見すると、本とは逆向きです。
自分なりに考えて、こう整理しました。本が長く続けようと言っているのは「働くこと」でした。私が長く続けたいのは、自分に正直に生きることです。興味が湧いたら見にいく。違和感があれば離れる。やってみたいことがあれば、会社の都合を待たずにやる。働くことは、その中に入っていてもいいし、入っていなくてもいい。
そう考えると、私にとってのFIREは引退ではありません。人生のレールがどこで途切れても、次のステージに移れるだけのオプションを持っておくこと。その一番大きなものがFIREです。会社を降りるかどうかは、そのとき決めればいい。降りられる状態を持っていることに意味があります。本が言うマルチステージの人生に、自分の都合で乗り換えられる切符、と言ってもいいかもしれません。ここまで整理できたとき、本とのズレはむしろ自分の輪郭をはっきりさせてくれました。
「選択肢そのものに価値がある」と、同じことを言っていた
もうひとつ、この本を読んで腑に落ちたことがあります。
私は以前から、お金の判断を「その選択は、5年後の自分の選択肢を増やすのか、減らすのか」という一問で決めてきました。株の世界のオプションが、使わなくても権利そのものに値段がつくのと同じで、選べる状態を残しておくこと自体に価値がある、という考え方です。
本の変身資産は、この考え方の人生版だと思いました。変われる状態でいること、次のステージに移れる状態でいること自体を、資産として数えているからです。そして、ここは本より一歩だけ先に言えることだと思うのですが、私の場合は有形資産の持ち方が、無形資産を支えていました。iDeCoや持ち家でお金の出口を固定しなかったから、いま経験にお金を使ったり、会社の外のつながりを作ったりする余白があります。本は2種類の資産を分けて説明していますが、実際にはつながっているのだと思います。
オプションを増やしていくこと。それが、私にとっての人生の醍醐味です。
今日5分でできること:自分の無形資産を、1行ずつ書いてみる
本を読まなくても、これだけはできます。この記事で私がやったことを、そのまま小さくしたものです。
紙でもスマホのメモでも構いません。次の3行を書いて、それぞれに「いま伸ばしていること」を1つだけ書き込んでみてください。
- 生産性資産(稼ぐ力につながるスキル・知識):
- 活力資産(体と心の健康、身近な人との関係):
- 変身資産(知らない世界とのつながり、新しい経験):
お金もアカウントも要りません。書けない欄があっても大丈夫です。私の場合、一番薄いのは変身資産でした。空いている欄が、次に手をつける場所です。会社の仕事しか思い浮かばない欄があれば、そこは会社を離れたときに一緒に消えてしまう資産かもしれません。
✔️ この記事が合いそうな人
- 40代・50代で、このまま定年まで同じ道でいいのか、うっすら引っかかっている方
- お金はある程度そろってきたのに、何に使えばいいのかが分からない方
- FIREに興味はあるけれど、「辞めたあと毎日何をするのか」が想像できない方
- 周りと話が合いすぎて、逆に物足りなさを感じている方
よくある質問
Q. FIREを目指していなくても、関係のある話ですか?
関係あると思います。本自体は、長く働く人のために書かれています。会社に勤め続ける方でも、転職や部署異動、定年後の再雇用など、ステージが切り替わる場面はいずれ誰にでも来ます。そのときに持ち出せる資産が何か、という問いは誰にでも当てはまります。
Q. 50歳から無形資産を伸ばすのは、遅くないですか?
本の前提に立つと、むしろ50歳は折り返し地点の手前です。人生100年なら、まだ半分残っています。私自身、投資も32歳で一度始めて13年放置し、46歳で再開しています。遅れて始めたことが、いまの記事の材料になっています。
Q. 本は読んだほうがいいですか?
自分の働き方や生き方に、言葉にできない違和感がある方には合うと思います。私は読みながら、何度も自分の話に置き換えて考えていました。上の「1行ずつ書く」をやってから読むと、自分に関係のある章が見つけやすくなります。
まとめ
📝 まとめ
- 『ライフシフト』は、私にとって新しい知識ではなく、20年やってきたことの答え合わせでした
- 生産性資産はAIとの対話とブログ、活力資産は朝食・ウォーキング・筋トレ・睡眠・読書の習慣で、いま伸ばしている最中です
- 一番の課題は変身資産。経験にお金を使うことと、会社の外のつながりを、意識して取りにいこうとしています
- 会いたいのは「同じ方向を向いていて、価値観はばらばら」な人たち。抜け出したいのは、自分の中のサラリーマンの考え方です
- 本は長く働くための本。私は、長く自分に正直に生きるための本として読みました
FIREは、私にとって引退ではなく、どこでレールが途切れても次のステージに移れるオプションです。そのオプションを増やしていく過程を、このブログに書いていきます。
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免責
この記事は運営者個人の読書記録と考え方をまとめたものです。書籍の内容は運営者の理解にもとづく要約であり、正確な内容は原著をご確認ください。特定の働き方や退職、金融商品・クレジットカード・オンラインサロンの利用を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。


