資産が増えたら、毎月5万円の積立に意味を感じなくなった|1日83万円動く口座で始めた「お金を使う練習」3年間の家計簿を全部出します

1日の値動き83万円と毎月の積立5万円を並べて比べた図 家計と税金

スマホで資産の合計額を見て、前の日より2,496,324円減っていました。

2026年8月20日のことです。何かをしたわけではありません。売ってもいないし、買ってもいない。ただ寝て起きただけで、249万円が消えていました。

その月、私は毎月どおり5万円を積み立てていました。1日で249万円動く口座に、5万円を足していたわけです。そのとき初めて、「これ、意味あるのかな」と思いました。

📋 この記事でわかること

  • 私の口座で、1日にいくら動いているのかの実額(35日分を全部出します)
  • 積立額が「誤差」に見えたとき、私が何を考えたか
  • 「増やす人より、減らす人のほうがすごいのでは」という、われながら妙な感情の話
  • 半分一括・半分積立で始めたのに、「終わり方」を決めていなかったという失敗
  • それで何を変えたか——節約一本をやめて、使う練習を始めました
  • 使う練習の3年間(2024→2026)を、家計簿の実額で全部出します。想像よりずっと下手でした
  • 2年やってみて分かった、いちばん大きな見込み違い

先に断っておきます。これは「積立をやめた」という話ではありません。いまも続けています。相場が下がったから止める、というのもしません。その話は872万円減った年に24か月続けた記録のほうに書きました。

この記事で書きたいのは、止めるか続けるかではなく、「貯めた先に何をするのか」を考えていなかった、という話です。

私の口座は、1日でいくら動いているのか

感覚で書くと嘘になるので、実際に数えました。2026年8月1日から9月5日までの35日分、前日との差額を全部出しています。

2026年8月1日〜9月5日(35日)実額
1日の変動額の平均(増えた日も減った日も同じ扱いで)835,112円
1日でいちばん減った日(8月20日)▲2,496,324円
1日でいちばん増えた日(8月6日)+4,540,478円
変動が5万円を超えた日35日中32日
変動が100万円を超えた日35日中11日

💬 実際どうなのか

1か月に5万円を足す作業と、1日で83万円動く現実が、同じ口座の中で同時に起きています。2か月で見れば、2026年5月末から7月末までに2,116万円減りました。その間も5万円ずつ積んでいました。数字だけ見れば、積立は誤差です。

誤解のないように書いておくと、これは自慢ではありません。むしろ逆で、こうなるまで私は「増やす」しか考えていなかったという話です。

私は「増やす」以外のことを、20年考えていませんでした

恥ずかしい話をします。

32歳で投資信託を買って、そのまま13年放置しました。46歳で再開してからは、固定費を削り、浮いた分を積立に回し、ボーナスは年初に一括で入れる。これをずっと繰り返してきました。うまくいっていたと思います。

その一方で、「貯まったら何をするのか」を、一度も具体的に考えたことがありませんでした。老後、と言えばそれっぽく聞こえます。でも老後の何にいくら使うのかと聞かれたら、答えられませんでした。

ついでに書くと、その20年のあいだに資産が6割溶けた年もありましたし、1年で872万円減った年もありました。減るのには慣れていたんです。減らすのに慣れていなかっただけで。

半分は一括、半分は積立。始め方は決めたのに、終わり方を決めていませんでした

まとまった現金ができたとき、一括で入れるか、分けて積み立てるか。この議論は本当によく見かけます。私も相当読みました。

私が出した結論は「半分は一括、半分は積立」でした。どちらが正しいか決着がつかないなら両方やればいい、という考え方です。この判断自体は、いまでも悪くなかったと思っています。

問題は、始め方だけ決めて、終わり方を決めていなかったことでした。

いつまで積むのか。どこまで来たら入れるのをやめるのか。何も決めていませんでした。決めていないと、どうなるか。もう少し、もう少し、とギリギリまで入れ続けます。実際そうなりました。

💬 探しても見つからなかったもの

一括か積立か——入口の議論はいくらでもあります。ですが「これ以上は入れない」という出口の話を書いた記事を、私はほとんど見たことがありません。入口の設計だけして始めると、終わり時は自分で決めるしかないのに、そのことに気づかないまま走り続けることになります。

「増やす人より、減らす人のほうがすごいのでは」

2024年ごろから、変な感情が芽生えてきました。

投資信託の1日の変動が何十万円という単位になってきて、そのころから、毎月5万円をきっちり積むことより、貯めた資産を計画的に減らしていける人のほうが、よほど難しいことをやっているのではないかと思うようになったんです。

増やすのは、ある意味で簡単です。節約して、余りを入れて、触らない。手順が決まっています。

ところが減らすほうには手順がありません。いくら使っていいのか、何に使えば後悔しないのか、使ったあとで足りなくなったらどうするのか。誰も教えてくれないし、練習する場もない。しかも20年かけて「使わない」を鍛えてきた人間が、ある日から急に上手に使えるとは思えませんでした。

💬 このとき本気で怖くなったこと

資産が貯まっても、急に使うことはできない。そして使えないなら、値動きの大きい商品を持っていた意味も半分なくなります。増えた分を使えないまま持ち続けるなら、最初から増やさなくてもよかったことになる——そこまで考えて、これはまずいと思いました。

先に書いておきます。私が平気なのは、慣れているだけです

ここまで読んで、「1日で249万円減っても淡々としているのか」と思われたかもしれません。ここは正直に書いておきたいところです。

平気なのは、私が冷静だからではありません。慣れているからです。2022年に資産が6割溶けて、翌年もその翌年も戻らない時期を過ごしました。1年で872万円減った年もありました。そのあいだに、感覚のほうが先に麻痺したというのが実際のところです。

だから、この記事を読んで「自分も1日100万円動く商品を持ってみよう」とは思わないでください。減る経験を通っていない状態でその値動きに入ると、たいてい下がった日に売ります。私も最初の1年はまともに眠れませんでした。順番があります。

この記事で伝えたいのは値動きの大きさではなく、「積立額より1日の変動のほうが大きくなる日は、続けていればいつか来る」ということです。そのとき何を考えるか、という話をしています。

それで、節約一本をやめました

2024年から、意図的に収入を使い切るようにしています。

言葉にすると乱暴ですが、やっていることは単純です。資産の土台はもう積んだので、これ以上の入金を増やすより、使う練習に時間を回すことにした——それだけです。いわゆるコーストFIRE(※定義は人によって違いますが、私は「入金をやめても運用だけで目標に届く状態」の意味で使っています)を目指す途中、という言い方がいちばん近いと思います。

ただし、無制限に使っているわけではありません。自分に置いているルールは1行だけです。

規律ある日常の上に、自由な浪費を置く。

習慣は人生を長くし、浪費は人生を濃くする。

✅ この1行が効いている理由

① 生活のほうを固定して自動化してあるので、使うことに罪悪感が出ない
② 判断力を「楽しみ」のほうにだけ使える。日常で意志力を消耗しない
③ 決めたことを守れている自分がいるので、使うときに自分を信じられる
④ 浪費が「逃避」ではなく「選択」になる。疲れたときの反動買いが減った
⑤ 迷ったら「これは生活か、浪費か」の一問で決められる

この区別があると、支出を見たときに慌てなくなります。生活のほうが崩れていなければ、浪費の額が大きくても問題ではない。逆に、生活のほうが崩れているのに使っていたら、それは反動です。金額ではなく、順番の話です。

とはいえ、積立をゼロにしたわけではありません。新NISAが始まったばかりでしたから、「ひとまず積立枠の年120万円は埋めておくか」という判断はしました。そこは残して、それ以上は増やさない。増やさないぶんを、使うほうの練習に回すことにしました。

使うのは、思っていたよりずっと下手でした

ここからが本題です。3年やって、自分でも笑ってしまうくらい下手でした。家計簿に全部残っているので、恥ずかしいですが出します。

2024年:とりあえず銀座と日本橋に行きまくった

使うと決めたはいいものの、何に使えばいいのか分かりませんでした。それで、とりあえず銀座や日本橋にランチとパフェを食べに行っていました。いま振り返ると、使い道を考えたというより「使った実績が欲しかった」に近いと思います。

そして後半には、ほぼ毎週になっていました。楽しかったので自分の中に止める理由がなく、気づいたときには太っていました。情けない話ですが、使いすぎを止めたのは意志ではなく体重計です。

2025年:毎週のランチを、ホテルの宿泊に置き換えました

翌年はヒルトンのカードを作って、ホテルに泊まるようになりました。この年の宿泊は4回です。ランチのほうは、毎週から適度な頻度に戻しています。

金額だけ見れば2025年のほうが使っています。ただ中身は「毎週のランチ」から「たまの宿泊」に入れ替わっていました。同じように使っていても、後に残るものが違います。これは使ってみるまで分かりませんでした。

2026年:頻度が、ちょうどよくなってきました

今年は、ホテルも外食も「この頻度が心地いい」という水準が見えてきました。やめてはいません。減らしたわけでもありません。ちょうどよくなった、という感覚がいちばん近いです。そして、それでいて手元の残高も確保できています。

ひとつ補足させてください。5人家族でホテルやランチと書くと、ずいぶん余裕があるように見えるかもしれません。実際に動いているのは3人です。子ども2人は中学生以上で、この年代になると親と一緒には出かけなくなります。外食も宿泊も、基本は家族3人ぶんの金額です。

なお、この3年で変わったのは「使う」ほうだけではありません。同じ時期に、20年続けた積立のほうを自分の意思では終われませんでした。そちらの顛末は投資の積立を、自分の意思では終われませんでしたに分けて書いています。この記事は「使う練習」、あちらは「やめる練習」の話です。

感覚だけで書くと嘘になるので、家計簿の数字を出します。

月平均2024年2025年2026年(1〜6月)
食費(外食を含む)163,376円214,840円180,308円
趣味・娯楽5,217円21,023円12,272円
合計168,592円235,863円192,581円

💬 この3年の形

2025年に4割ほど跳ね上がって、2026年に2割弱まで戻っています。ですが2024年の水準には戻っていません。元に戻ったのではなく、ちょうどいいところに着地したという形です。

使うのをやめたわけでも、我慢しているわけでもありません。一度やりすぎたから、適量が分かった——それだけの話でした。

これが分かったのが、この3年でいちばんの収穫かもしれません。使うことにも、練習と上達があります。下手なうちはやりすぎるし、やりすぎないと適量が分かりません。そして下手なままでいると、いざ資産を取り崩す番になったときに、初めての下手を本番でやることになります。

2年やって、いちばん大きな見込み違いはこれでした

始める前、私はこう思っていました。「お金が貯まれば、何も考えずに楽に生活できるようになる」と。

2年やって、これは違いました。

何も考えずに生活することは、そもそも無理でした。お金があっても、何に使うか、どこに置くか、いつ動かすかは自分で決めるしかありません。決めるのをやめた瞬間に、ただ持っているだけになります。

そしてもうひとつ。考えて生活しないと、「楽になった」という実感そのものが手に入りません。何も考えずに使っていたら、それが余裕によるものなのか、ただの浪費なのか、自分でも区別がつかないからです。区別がついて初めて、「ああ、前より楽になったな」と分かります。

✅ 今日できること(5分・お金はかかりません)

紙に2行だけ書いてください。
1行目:いま毎月いくら積み立てているか
2行目:いま持っている投資資産の合計

そのうえで、2行目の数字に2%を掛けてみてください。それが、相場が少し動いた日に1日で変わりうる額のめやすです。1行目より大きければ、あなたの口座でも「積立額より1日の変動のほうが大きい」状態が起きています。これは悪いことではありません。ただ、それを知っているかどうかで、値動きを見たときの気持ちがまったく変わります。

やめたほうがいい人

⚠️ 以下に当てはまる方は、この記事の真似をしないでください

  • まだ資産の土台を作っている途中の方。「使う練習」は積み上げが終わってからの話で、順番を逆にすると何も残りません
  • 手元の現金が薄い方。使う練習より先に、収入が止まっても数か月回る現金を作るほうが先です
  • 使いすぎたときに戻せる仕組みがない方。私の場合、生活のほうを固定してあるので戻せます。そこが決まっていないと、ただの浪費になります
  • 1日の変動額を見ると眠れなくなる方。無理に大きな値動きの商品を持つ必要はありません

向いている人

✔️ 以下の方には、たぶん役に立ちます

  • 節約と積立は続いているのに、「これ、いつまでやるんだろう」と思う瞬間がある方
  • 資産は増えているのに、使うとなると手が止まる方
  • 貯めた先の使い道を、まだ具体的に考えたことがない方
  • 値動きが大きくなってきて、自分の積立額が小さく見えてきた方

後悔しない進め方:増やすのをやめる必要はありません

最後に、いちばん誤解されそうなところを書いておきます。

私は積立をやめていません。毎月の積立も、年初のまとまった買付も続けています。相場が下がったから止める、ということもしません。安いときに買えなくなるだけだからです。

変えたのは、「増やす」と「使う」を同時に練習し始めたという一点だけです。増やすのを止めて使い始めたのではなく、使うほうの練習を、増やすのと並行して足しました。順番を間違えなければ、両方できます。

📝 まとめ

  1. 私の口座では、1日の変動の平均が835,112円。35日のうち32日で、月の積立額5万円を超えて動いていた
  2. 半分一括・半分積立という始め方は決めたのに、終わり方を決めていなかった。だから「もう少し」でギリギリまで入れ続けた
  3. そこで初めて「増やす人より、減らす人のほうがすごいのでは」と思った
  4. 20年「使わない」を鍛えた人間が、ある日から急に上手に使えるとは思えなかった。だから練習を始めた
  5. 使うのは、想像よりずっと下手でした。2024年はランチに行きすぎて太り、2025年はランチを減らしてヒルトンに4回泊まり、2026年でようやく頻度がちょうどよくなった(月168,592円→235,863円→192,581円)
  6. ルールは1行。規律ある日常の上に、自由な浪費を置く
  7. 見込み違いだったこと:お金が貯まっても、何も考えずに生活することはできない。考えないと「楽になった」という実感も手に入らない

増やすのをやめる必要はありません。使うことにも練習と上達がある——それを、下手をやってもいい時期のうちに済ませておく。いま私が気をつけているのは、それだけです。

最後にひとつだけ、お願いをさせてください。

明日と明後日の2日だけ、寝る前に資産の合計額をメモしてみてください。アプリのスクリーンショットでも、紙に数字を書くだけでも構いません。2日ぶんあれば、1日でいくら動くのかが自分の口座の数字で分かります。2日で終わりです。それ以上は続けなくて構いません。

その数字を見たあとで、自分の毎月の積立額をもう一度眺めてみてください。私はそこから考えが変わりました。減った日の話は、こちらに全部書いています。

免責

この記事は運営者個人の家計記録と、資産を取り崩す前段階での試行錯誤をまとめたものです。特定の支出行動や金融商品を推奨するものではありません。適切な支出と資産形成の配分は、年齢・収入・資産状況・家族構成によって異なります。記載している金額は2026年9月時点の実数であり、将来の結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください。

子供3人の5人家族を1馬力で支える50代・営業職の会社員。「固定費削減 × 時短家電 × 資産運用」で暮らしの質(QOL)を高める工夫を、実体験ベースで発信しています。新NISA(松井証券)・iDeCoを運用中。副業にも取り組み、一次情報と自分で試した結果を数字で記録することを大切にしています。

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