わが家は50代・営業職・子供3人・1馬力。
妻は専業主婦で、20年以上この形でやってきた。
正直、1馬力はきつい。
収入だけ見れば、共働きの家庭より明らかに不利。
そこは否定しない。
ただ、
「共働きにすれば世帯収入が倍になって楽になる」かというと、そう単純でもないと思ってる。
この記事は、その理由の話。
先に断っておくと
これはわが家の見方で、共働きを否定する記事じゃない。
データに基づいた分析でもない。
自分の家庭の20年と、職場で聞いた話から考えたこと。
数字の裏づけはないし、家庭ごとに事情はまったくちがう。
それでも書くのは、
「2馬力にしないと」と焦ってる人が、一度立ち止まる材料になるかもしれないから。
共働きを選ぶ人を否定する気は、まったくない。
なので、これは思考実験として読んでほしい。
「そういう見方もあるのか」と一度考えてみて、それでも共働きが必要だと思うなら、それが答え。
言えるのは、1馬力でも成り立たせてる家庭が現にここにある、ってことだけ。
まず時間の話|正社員だと、帰宅は18時から19時
お金の前に、時間の話から。
ここがいちばん物理的な制約だと思ってるから。
配偶者が正社員でフルタイムだと、帰宅は早くても18時から19時。
通勤時間があれば、もっと遅い。
そこから買い物して自炊すると、夕食は20時を回る。
夫婦二人だけなら成り立つ。
自分も、独身時代や子供が生まれる前ならそうだった。
でも子供がいると、その時間まで待てない。
特に小さいうちは。
じゃあ実際どうしてるのか。
総菜を買う。
外食をはさむ。
作り置きで回す。
どれも現実的な選択だけど、どれも「時間をお金で買ってる」ことに変わりはない。
だから多くの家庭は「1.5馬力」になる
この制約があるから、子育て中の家庭では16時ごろには買い物を終えて帰れる働き方を選ぶケースが多くなる。
つまり、パートやアルバイト。
これは2馬力じゃなく、1.5馬力くらいだと思ってる。
世間では「共働き=2馬力」とひとくくりにされがち。
でも実際の内訳は、かなり幅がある。
フルタイム同士の2.0馬力と、パートをふくむ1.5馬力じゃ、家計の姿がまるでちがうはず。
で、子育て期に選ばれやすいのは、後者のほうじゃないかな。
増えた収入は、どこへ消える?
じゃあ1.5馬力で増えた収入が、そのまま貯金になるかというと、そうでもないみたい。
増えたぶんを削っていく支出が、いくつも出てくる。
- 保育費:小さいうちは大きな固定費
- 学童保育の費用:小学校に上がっても、放課後の預け先がいる
- 総菜・外食の増加:時間がないぶん、食費の単価が上がる
- ストレス発散の支出:働いて疲れた日のスイーツやコンビニ。金額は小さくても、回数が増えると効いてくる
職場に共働きの人は何人もいるけど、「2馬力ぶんの裕福さ」を感じてる様子はあまりない。
本人たちも「結局、相殺されてる」って言い方をする。
もちろん、これは自分が見聞きした範囲の話。
貯まってる家庭もあるはず。
ただ、「働けばそのぶんそのまま増える」って単純な計算にはならない、という感触はある。
わが家が選んだのは、収入じゃなく支出のほう
わが家の場合は、収入を増やす方向じゃなく、支出を増やさない方向に振れた。
妻が家にいるから、総菜や外食に頼らずに済んだ。
保育費も学童費もかかってない。
転勤のたびに「身の丈以下」の賃貸を選んで、家賃も抑えてきた。
保険にもほとんど入ってない。
結果、収入は少ないのに手元には残るって形になった。
これが正解だと言うつもりはない。
収入を増やす道を選ばなかったぶん、上限も低いのは事実。
ただし、お金だけの話じゃない
ここは絶対に書いておかなきゃいけないところ。
共働きを選ぶ理由は、目先の手取りだけじゃない。
1. リスク分散——ただし「何馬力か」では決まらない
「2馬力ならリスク分散になる」とよく言われる。
自分も前はそう思ってたけど、いまは少しちがう見方をしてる。
大事なのは、何馬力で稼いでるかじゃなく、何馬力で計画を立ててるか。
2馬力の収入を前提に、住宅ローンを組んで、教育費を見積もって、車を2台持つ。
この状態で片方が働けなくなったら、その瞬間に破綻する。
収入源が2つあっても、支出も2馬力前提でふくらんでるから。
これはリスク分散じゃなく、むしろリスクを倍にしてるのに近い。
本当に強いのは、2馬力で稼ぎながら、1馬力で計画を立ててる家庭。
片方の収入をまるごと余剰として扱えるなら、それは強い。
わが家は1馬力で稼いで、1馬力で計画を立ててる。
上限は低いけど、前提が崩れにくいという意味では、そう弱くもないと思ってる。
2. 「稼ぎ手を倒さない」というリスク管理
もうひとつ、あまり語られない視点がある。
稼ぎ手が倒れないようにすること自体が、リスク管理ってこと。
妻が家にいることで、食事は総菜や外食に頼らず、家で作ったものになった。
睡眠も、生活のリズムも、無理をしなくて済む形で回ってきた。
20年以上、家族の誰も大病をしてない。
それが食事や生活リズムのおかげかどうかは、証明のしようがない。
病気は生活習慣と関係なく襲ってくるし、気をつけてても避けられないものはある。
それでも、1馬力を守るために片方が家庭側に回るって配置には、それなりの合理性があったと思ってる。
健康はお金で買えない。
買えないぶん、日々の積み重ねが効いてくる。
3. 会社員なら、倒れてもゼロにはならない
1馬力のリスクをどう見るかは、働き方によってまったくちがう。
会社員なら、病気やケガで働けなくなったときに傷病手当金がある。
標準報酬日額の3分の2が、最長1年6か月。
万一のときには遺族基礎年金と遺族厚生年金もある。
ゼロにはならない。
一方、自営業やフリーランスには傷病手当金がない。
倒れた時点で収入が止まる。
同じ1馬力でも、前提がまるでちがう。
「1馬力は危ない」と言われるとき、このちがいはあまり区別されない。
会社員の1馬力と、個人事業主の1馬力は別物と考えたほうがいいと思う。
4. キャリアの継続
一度離れた職場に、同じ条件で戻るのは簡単じゃない。
目先の手取りが相殺されても、10年後の年収では差がついてる可能性は十分ある。
5. 将来の年金
厚生年金に入って働いた期間は、将来の受給額に反映される。
いま相殺されて見えても、老後に効いてくるところ。
6. 本人が働きたいかどうか
そして何より、働くかどうかは損得だけで決めることじゃない。
社会とつながっていたい。
自分の仕事を続けたい。
それは家計の計算より優先されていい理由だと思う。
この記事は「働かないほうが得」って話じゃない。
「働けば単純に楽になる」とも言い切れない、ってだけの話。
この記事を届けたい人
書きたかったのは、「共働きにしないと」と焦ってる人に向けて。
周りが共働きだから。
世帯年収が足りない気がするから。
無理してでも働きに出なきゃ。
そう思いつめてる人がいたら、一度計算してみてほしい。
- 働くことで増える手取りはいくら?
- それで増える支出(保育費・学童・食費・交通費)はいくら?
- 差し引きで、手元に残る額はいくら?
その差が思ったより小さいなら、無理して働く必要はないのかもしれない。
逆に十分な差があるなら、それは働く理由になる。
大事なのは、世間の「共働きが普通」って空気じゃなく、自分の家の数字で決めることだと思う。
それと、もうひとつ。
収入を増やすのも、支出を減らすのも、どっちも手取りを増やす手段。
わが家は後者を選んだってだけで、優劣の話じゃない。
わが家の前提|再現性の限界
フェアに書いておくと、わが家が1馬力で成り立ったのには条件がある。
- 正社員として継続雇用されてる:収入が不安定なら成り立たない
- 妻が家事を担える健康状態にある:どちらかが体調を崩せば前提が崩れる
- 固定費を極端に抑えてきた:家賃、保険、通信費。ここを削らなきゃ回らなかった
- 子供を私立に通わせてない:教育費のかけ方がちがえば結論も変わる
条件がちがえば、答えも変わる。
うちで成り立ったことが、あなたの家で成り立つとはかぎらない。
まとめ
1馬力はきつい。
それは事実として書いておく。
ただ、共働きにすれば単純に世帯収入が倍になるかというと、そうでもない。
子育て期の共働きは2馬力じゃなく1.5馬力になりやすくて、増えた収入は保育費や食費や外食で削られていく。
だからといって、働かないほうがいいって話じゃない。
リスク分散もキャリアも年金も、お金の計算だけじゃ測れない価値がある。
伝えたいのは、「共働きが普通だから」って理由だけで無理する必要はないってこと。
自分の家の数字で決めれば、どっちでもまちがいじゃないと思う。
ひとつ補足すると、わが家も最初から1馬力だったわけじゃない。
子供ができるまでは、妻もパートに出てた。
子供ができてから、いまの形に。
つまり、最初に選んだ形じゃなく、途中で移った形。
そのうえで書いておきたいのは、子育てと家事は、それだけで相当に大変ってこと。
「働いてない」って言い方が実態に合ってないのは、そばで見てればすぐわかる。
1.5馬力という言い方をしてるのも、そこを差し引いた数字じゃなく、むしろ勘定に入れたうえでの実感。
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免責
この記事は運営者個人の経験と見方をまとめたもので、統計や調査に基づく分析ではありません。共働き・片働きのどちらかを推奨するものでもありません。適切な働き方は、家庭の状況・健康状態・キャリア・将来設計によって異なります。

